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日本IBMが提唱する「ダイナミック・インフラストラクチャー」
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専務執行役員システム製品事業担当のポール・マウン氏
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ダイナミック・インフラストラクチャーアセスメント
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日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は2月25日、ITインフラストラクチャーとして「Dynamic Infrastructure(ダイナミック・インフラストラクチャー)」を提唱。その取り組みについて説明した。
同社では、地球がより賢く進化していくことを示す「Smarter Planet」をビジョンとして提唱。Dynamic Infrastructureを、この実現に向けた次世代ITインフラストラクチャーと位置づける。
Dynamic Infrastructureでは、企業が新たなサービスをすぐに顧客に提供できるようにする「サービスの改善」、仮想化や外部リソースの活用により生産性向上につなげる「コスト削減」、高い可用性やセキュリティを実現する「リスク管理」の3つの要素を持ち、さまざまな要望に柔軟、迅速に対応できるITインフラストラクチャーと定義する。
サービスの改善では、可用性の向上や高いサービス品質というだけでなく、リアルタイムに、24時間いつでも、迅速に利用できる環境の提供、コスト削減では、生産性のブレイクスルーや革新的な通信環境の提供、これまでの延長線上ではないドラスチックなコスト削減への対応を実現。また、リスク管理では、今日あるリスクへの対応だけでなく、相互接続されたコラボティブな世界がもたらすリスクに備えることができるとした。
また、Dynamic Infrastructureの導入に際しては、まず、ワークショップ、診断、アセスメントといった取り組みにより、全般的な計画を踏まえた上で、「セキュリティ」「仮想化」「資産管理」「サービス・マネジメント」「エネルギー効率化」「継続性・回復力」「情報基盤管理」の7つのイニシアチブを追求することが必要だと説明する。
仮想化では、IBMのデータセンターの取り組みを例にあげながら、「データセンターの資産利用率が10~20%であるものを、80~90%に高めていくことが求められている。当社のデータセンターでは、アプリケーションごとに管理されていたため、125人のCIOを抱えていた。また、現在、3900あるサーバーを、30のメインフレームに統合する取り組みを行っている」(日本IBM・専務執行役員システム製品事業担当のポール・マウン氏)などとした。
また、エネルギーの効率化では、「データセンターにおいて、熱が滞留する部分に空気をうまく流すことや、システムのパワーマネジメントの自動化も必要になる。IBMでは、2010年までにエネルギー消費量は変えずに、コンピューティング性能を倍増させる取り組みを行っている」と語った。
同社では、Dynamic Infrastructureを実現するサービスのひとつとして、ユーザーが必要なときに、必要なだけハードウェア資源をネットワーク経由で利用できるクラウド・コンピューティングのサービス拠点として「IBM Computing on Demandセンター(IBM CoDセンター)」を、千葉県千葉市の幕張事業所内に開設。4月1日からサービスを開始することを発表した。日本では初、世界では7カ所目となる。
ネットワーク経由で、CPUやメモリ、HDDなどのハード資産を利用できるサービスで、設備投資を抑制しながら、迅速に必要な環境を整えることができ、デジタルコンテンツ制作や、宇宙開発、金融サービスといったスーパーコンピューティング環境を必要とするユーザー、少しでも早くIT環境を整え、新規事業を実行したいユーザーなどに適しているという。
最低使用料金(基本料金)は、クアッドコアCPUを2個搭載したサーバーを1週間利用する場合で、5万400円(税別)。1CPUあたり、1時間150円で利用できる計算となる。
「サーバーレンタルサービスを含め、すでに他社が提供しているサービスでもあり、競争優位性を追求するという事情とともに、利用者が魅力的と思ってもらえる価格を設定した」(マウン氏)としている。規模や期間に応じて割引が適用され、3年間利用すると、運用コストを含めて、同サービスを利用する方が低価格で済む場合もあるという。
サーバーを物理的に占有するサービス体系と、一台のサーバーを仮想化環境のなかで共有するバリアブルサービスを用意している。
同社では、東京・晴海の日本IBMクラウドコンピューティングセンターをすでに開設しており、ここでフルHDTVの8倍の画素数のプラネタリウム用映像のレンダリングの製作環境を構築したが、「ここでの大きなメリットは、この施設を利用して、一日でセットアップすることができた点。物理的なシステムのセットアップでは3~4週間かかるだろう。IBM CoDセンターでも、こうした効果が期待できる」(マウン氏)という。
IBM CoDは、欧米では金融、製造業などを中心に幅広く利用されているという。
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IBM Service Management Industry Solutions
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IBM Service Management Center for Cloud Computing
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日本IBM 理事ソフトウェア事業Tivoli事業部長の日野義久氏
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一方、IBM Service Management Industry SolutionsおよびIBM Service Management Center for Cloud Computingの提供を開始する。
同社では、これをDynamic Infrastructureの中核要素であり、ビジネス・インフラストラクチャーおよびITインフラストラクチャー全体にわたって、高品質でエンド・トゥ・エンドのサービスを可能にするものとしている。
IBM Service Management Industry Solutionsは、Dynamic Infrastructureが実現する社会およびビジネス・インフラの管理のためのインダストリーに特化したフレームワークに基づくIBMサービス・マネジメント・ソフトウェアとサービスを包含したソリューションとしており、Tivoli Netcool、Maximoをはじめとしたサービスマネジメントソフトなどによって構成され、今後、ユーティリティ、化学・石油、通信、電機、小売、銀行、PLM(製造)の7つの業界向けにオファリングを提供する。価格は500万円から。
「製品、サービス、ノウハウと、IT資産を組み合わせて、新たなビジネスモデルを作る大きなテンプレートととらえてもらいたい」(日本IBM・理事ソフトウェア事業Tivoli事業部長の日野義久氏)とした。
IBM Service Management Center for Cloud Computingは、クラウドサービスを迅速に、柔軟に、セキュアに提供するための支援を行うサービス・マネジメント・ソフトウェアとサービスのソリューションで、クラウドサービスを提供、管理するTivoli Service Automation Manager 7.1s、クラウド環境の構成、導入を自動化するTivoli Provisioning Manager 7.1を新たに投入。クラウドサービス環境の構成、管理を迅速に低コストで実行できるという。
「これまでバラバラな要素によって提供されていたクラウド・コンピューティングサービスを統合していく役割を担う」(日野氏)とした。
価格はサーバーあたり39万1900円から。2009年第2四半期から提供する。なお、現時点では、Tivoli Service Automation Manager 7.1などは英語版で提供されており、「年内には日本語版での提供が可能になる」とした。
マウン氏は、「世界がフラット化し、スモール化し、スマート化するなかで、いままでとは違うインフラを持たなくては成り立たない時代が訪れている。サービスレベル、コストの圧力、脅威から守るという新たな需要が出てきている。生まれながらに接続性を体験している若い世代が政府などにも影響を及ぼすようになり、オバマ大統領がBlackBerryを手にしていることも大きな影響がある。オバマ大統領がBlackBerryを持つということは、そのインフラを脅威から守らなくてはならないことを示したものともいえるからだ」などとし、「あのBlackBerryは、5000ドルをかけて強化されたものといわれており、Air Force Oneならぬ、BlackBerry Oneともいえるもの」と例えた。
■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース
http://www-06.ibm.com/jp/press/2009/02/2501.html
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