Enterprise Watch
最新ニュース

「単なるサーバー仮想化ではだめ」EMCの全体最適を実現する仮想化コンサルサービス


 EMCジャパン株式会社は3月16日、同社が提供している仮想化コンサルティング・サービスに関する記者向けの説明会を開催。サーバー中心の仮想化ではなく、企業のITシステム全体の最適化を見据えた仮想化の重要性などを強調した。

 同社の仮想化コンサルティング・サービスは、ITシステム全体を対象に、アセスメントから環境の構築、管理までを支援するもの。アセスメントでは、現状の可視化と、全社レベルでの到達点の設定までを実施。その後、直接業務・間接業務など業務内容によりクラス分けを行い、仮想化すべきシステムと優先度の明確化を行うことで、仮想化のターゲットを確定。確定後は、サーバー・ストレージ・ネットワーク・データ保護など、レイヤーごとに設計・計画を実施。サーバーのダウンタイムを最小限にしながら既存システムの仮想環境への移行を行うとしている。移行後は、キャパシティ管理や運用方針を策定し、運用フレームワークの導入までを支援する。


仮想化コンサルティング・サービスの特長 仮想化コンサルティング・サービスのフレームワーク

同社執行役員テクノロジー・ソリューションズ本部長の有安健二氏
 同社執行役員テクノロジー・ソリューションズ本部長の有安健二氏は、「弊社の子会社でもあるVMwareの国内ライセンス販売をみると、順調に伸びており、仮想化が普及しているようにみえる。しかし、検証的な使い方をされていたり、導入されていても部門どまりであったりと、全社で採用するまで広がっていない」と、国内でのサーバー仮想化は十分に進んでいないと指摘。「VMwareとも検討してみたが、サーバーだけを仮想化している企業が多いのではないかという結論にいたった。運用・管理を含めて、ITシステム全体を仮想化により最適化しないとメリットは得られないのではないか」と、サーバーだけでなく、アプリケーション、ストレージ、ネットワークなど総合的な仮想化を実現することが重要であると述べた。

 これを実現するサービスが、同社の仮想化コンサルティング・サービスであると有安氏は紹介。「VMwareのライセンス販売の上位ベンダーをみると、サーバーベンダーが占めている。そのため、サーバーハードウェアの販売が主になっているのではないか。われわれが提供している仮想化コンサルティング・サービスは、ベンダーに中立的な立場でコンサルティングサービスを提供するようにしている」と、ベンダーに依存しない仮想化ソリューションを構築できる点が強みであるとした。

 また、全社最適化の視点でITシステムの仮想化をコンサルティングしている点も特長。「これまでのITシステムは、コンピュータとソフトウェアで構成されていた。いわゆるツールが中心だった。今後はサービスと情報の時代、いわゆるデータを中心としたITシステムとなるだろう。仮想化はサーバーやストレージといったIT基盤とサービスを分離するもの。統一されたリソース管理やデータ管理、セキュリティといったことは、仮想データセンターにより実現される」(有安氏)と、次世代データセンターを意識した仮想化コンサルティングであると強調した。

 なお、仮想化コンサルティングでは、子会社であるVMwareとの協力関係を強化することも発表。有安氏は、「これまで子会社でありながらも、VMwareとは中立的な関係でありすぎた。今後は、VMwareとの関係をより密にしていく」と、ワールドワイドでの関係強化だけでなく、日本法人レベルでも関係を密にすると述べた。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://japan.emc.com/


( 福浦 一広 )
2009/03/16 13:41

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.