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日本オラクル、アプリ操作を自動記録する教育コンテンツ作成支援ツール


アプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 塚越秀吉本部長
 日本オラクル株式会社は3月17日、教育コンテンツを効率的に開発するツール「Oracle User Productivity Kit(UPK) Ver3.5」を発表した。エンドユーザー教育に利用するコンテンツを容易に作成できるため、業務生産性の向上に寄与できるという。同日より提供を開始する。

 企業が新しいITシステムが導入する際、早急な効果発揮を期待するあまり、エンドユーザー教育もそこそこに本格的な運用を開始してしまう、というケースはよくあることだ。しかしアプリケーション事業統括本部 ビジネス推進本部 塚越秀吉本部長によれば、エンドユーザーに対するトレーニング実施の有無で導入効果を図ると、「習熟時間では4倍以上、サポートの負荷という点では3~6倍の差が生じてくる」とのこと。また、「習熟が十分でないうちは、想定外のトラブルが起きやすいし、サポートの負荷はそのままコストになる」ことから、エンドユーザー教育は、実はとても重要なことなのだという。

 しかも、企業内の教育は新システム導入時だけに必要なのではなく、新入社員・中途採用社員の教育、担当者の配置換え、既存システムの横展開などなど、実際にはかなり多くの局面で必要とされている。ところが、いざ集合研修をしようとしても、講師がいなかったり、受講時間がとれなかったり、場所が確保できなかったり、といった問題が立ちはだかってくる。また、eラーニングを展開する場合にも、コンテンツを作成する人間がいない、ノウハウがない、などの課題が生じてくるのだという。


Oracle UPKの構成

ウィザードによって、多種類のコンテンツを一括生成できる
 今回、日本オラクルが提供するOracle UPKは、eラーニングなどで利用できるコンテンツを、容易に作成できるツールだが、教育コンテンツ作成に関する手順が自動化されており、特別な知識を必要としないのが特徴。また、多種類のコンテンツを一括して作成できるため、「生産性が著しく向上する」(塚越本部長)のである。

 具体的には、Oracle UPKが起動した状態で、エンドユーザーに説明したい操作をコンテンツ作成者が行うと、ツール側がオブジェクトを認識し、画面遷移や操作のタイミングなどで、画面キャプチャや説明文の生成などを自動的に実行してくれる。さらに、ソースとなるコンテンツ1つから、動画、Web、Word文書などの形式を生成できるので、さまざまな教育方法で用いるコンテンツをいちいち別個に製作する必要はない。変換時に用いるテンプレートは容易にカスタマイズ可能なほか、多言語対応も済ませているので、グローバル展開している企業にも導入できるという。

 加えて、ただ見るだけのコンテンツではなく、エンドユーザーに実際に入力を体験させられるコンテンツや、実際にアプリケーションを立ち上げて同じ操作を行わせるようなコンテンツも作成可能。塚越本部長はこうした特徴を、「ユーザーがもっとも受け入れやすいコンテンツを作ることができる」とアピールした。


ソースとなるコンテンツ。操作が記録されたほか、自動的に説明文も作成されている エンドユーザーがフィールドに入力を行えるような、体感コンテンツも作成できる。間違った入力を行った場合に、警告を出すことも可能だ Word文書形式の例。マニュアルなどに利用できる

 一方、コンテンツ作成が効率化されるため、コンテンツ作成者がより多くのコンテンツを作れるようになるメリットもあるという。塚越本部長は「時間がないため、一番使うパターンを教育するコンテンツしか作れず、例外的な処理の部分が省略される、といったことになりがちだった。工数が削減された効果として、質の高さやカバー範囲の広さがもたらされるだろう」と、そのメリットを説明している。

 なお、Oracle UPKはもともと、2008年に米Oracleが買収したGlobal Knowledge Software LLCの製品がベースになっているため、日本オラクル以外のパッケージ製品や、独自開発製品への対応も可能とのこと。また、eラーニングの標準規格であるSCORMにも準拠している点も特徴で、他製品との連携もしやすいとしている。

 価格は、教育コンテンツ作成者向けの開発ライセンスが175万円/ユーザー。また、教育対象となるエンドユーザー側で必要なライセンスが6000円/ユーザー(最小5ユーザーから)。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1982


( 石井 一志 )
2009/03/17 16:32

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