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ソリューション&プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャのベイ・キサング氏
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CMS 7.0の新機能
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株式会社シマンテックは3月26日、クライアント管理製品の新版「Altiris Client Management Suite(CMS) 7.0」とサーバー管理製品の新版「Altiris Server Management Suite(SMS) 7.0」を発表した。3月27日から提供開始する。
CMSはクライアントシステムの配備、管理、保全、トラブルシューティングを効率化する管理製品。一方のSMSは、物理環境か仮想環境かを問わず、広範なサーバープラットフォームのインフラ全体を管理する製品。いずれも2007年に、米Symantecが買収したAltirisの製品で、ITライフサイクルを自動化してくれる。
CMS 7.0では、新たに「インテリジェントなソフトウェア管理機能」が搭載された。これはクライアントへのアプリケーション配備を柔軟にするもの。従来、一括してクライアントにソフトウェアを配備する場合、個別にパッケージイメージを作って配信していた。ところが「その時にソフトウェア同士の依存や競合を考えてくれる製品はなく、せっかく自動化されているのに、実際は人間がそうしたソフトウェアの関係を別途考慮する必要があった」(ソリューション&プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャのベイ・キサング氏)。
これが手間となっていたのだが、CMS 7.0では、CMS 7.0自体の「スマート検出」のほか、シマンテックが保有する商用アプリケーションデータ、アプリケーションデプロイメント製品「Wise Package Studio」といったソースを活用し、ソフトウェアの「リリース」「サービスパック」「アップデート」「ファイル名」「依存」「置き換え」「競合」といった配備に必要な情報を、まるで図書館の目録のようにカタログ化するのだという。こうすることで「例えば、OSのサービスパックが前提のアプリケーションを配備する場合、まずはOSのアップデートを行ってからソフトウェアを配信するといった動作が可能になる」(キサング氏)。
電源管理などにおいては、インテルのvPro対応が強化された。両社は米国においても技術開発から製品開発まで密接に協力しており、日本市場においても完全な運用管理環境を共同で促進。その結果が今回のCMS 7.0で、最新の「インテルAMT」によりリモートからPCの管理が行えるほか、「ワイヤレスプロファイル」や「AMT SCSプロファイル」などの新機能も扱えるようになっている。
一方のSMS 7.0では、「パフォーマンス監視」「イベント管理」「スケジューリング・変更管理」といった機能が強化された。「Altirisというとクライアント管理というイメージがあるかもしれないが、今回、サーバー管理を行うSMS 7.0でも大幅な機能拡張を図った」とはキサング氏の言だが、何よりもCMS 7.0とSMS 7.0で管理コンソールが共有化されたのが大きい。
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SMS 7.0の新機能
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統合されたパフォーマンス監視機能
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管理作業を効率化するスケジューリング・変更管理機能
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■ Altirisを軸に管理製品の大規模統合へ
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Symantec製品とAltiris製品の統合
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SEPやBackup Execなどもモジュール方式で統合予定
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複数の機能拡張が図られた新版だが、もう1つ大きな特徴がある。それはシマンテックの管理製品戦略を示唆するほど大きなもので、それゆえ「今回の新製品は、今後のシマンテックを左右するほど重要な製品に位置付けられる」とキサング氏は述べている。意味深なその言葉の、キーワードは「統合」だ。
今回、CMS 7.0では、Symantec製品とAltiris製品の統合が意欲的に進められた。Altirisが旧来提供していた、アプリケーションを仮想化する「Software Virtualization Solution(SVS)」、アプリケーションパッケージを作成する「Wise Package Studio」、その配布を行う「Deployment Solution」がCMS 7.0に統合。加えて、イメージ作成製品「Symantec Ghost」とPCリモート管理製品「Symantec pcAnywhere」も、CMS 7.0に統合された。これを「管理製品のオールスターがそろい踏み」と表現する同氏だが、それだけではない。
今回の新製品は「Open Collaborative Architecture」という基盤上で開発され、統合が進められているのだが、今後は上記以外にも、エンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection(SEP)」やバックアップ・リカバリ製品「Backup Exec/Backup Exec System Recovery」、情報漏えい防止製品「Symantec DLP」などもAltirisに統合する予定というのだ。
「Altiris SDKというものを公開し、今回もこれを使って開発が行われた。各製品はすべてモジュール化され、AltirisのCMDBに統合された形で、連携するようになる。SDKにより他社製品も容易に取り込むことが可能で、ITライフサイクル管理からプロセスの自動化、ポリシー管理、エンドポイントセキュリティ、データ保護、情報リスク管理などがSymantec Management Platformとして包括提供されるようになる」(同氏)。すでにSEPの統合は具体化しており、「次期バージョンで正式にAltirisのモジュールとして実現する」とのこと。
ライセンス参考価格は、CMS 7.0が1万4900円/クライアント、SMS 7.0が6万9700円/サーバー。前者はクライアント台数が500台以上、後者はサーバー台数が10~20台の企業をターゲットとする。
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ポータル画面
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pcAnywhereでリモートアクセスした様子
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Symantec Ghostなどによるディスクイメージキャプチャ画面
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vProによる管理画面
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電源管理画面
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サーバーのパフォーマンス監視画面
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■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.com/jp/
ニュースリリース
http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20090326_01
■ 関連記事
・ シマンテック、買収したAltirisのITライフサイクル管理新製品を一斉発表(2008/05/21)
( 川島 弘之 )
2009/03/26 18:29
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