富士通株式会社は4月9日、化学物質情報管理システム「McConcierge(エムシーコンシェルジュ)」の販売を開始した。
McConciergeは、化学物質の安全情報管理や、規制物質調査などの法規制に対応するための製品。化学品の製品情報とそれを構成する化学物質を一元管理し、GHS対応に必要な文書の自動作成や成分レベルの検索が行える。
GHSとは、Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicalsの略。化学品の危険有害性を一定の基準に従って分類、絵表示などにより分かりやすく表示し、その結果をラベルなどに反映させ、災害や人の健康や環境への悪影響を防止するのに活用される。化学品製造業では国連勧告により、GHS対応に必要な文書作成がPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)で規制化されるなど、製品の安全性がこれまで以上に重要視されるようになっている。
McConciergeでは、このPRTR制度で必要文書として規制化されている、MSDS(化学物質等安全データシート)、ラベル、イエローカード(有害物質について事故時にとるべき処置方法を簡明に記述したもの)などをそれぞれ20秒から30秒で自動生成するという。データから自動生成するため、専門家のノウハウに依存せず均一な品質で作成できるほか、製品の配合原料から物質までの組成情報をツリー構造で参照することも可能。
さらにシステム検索機能を利用すれば、国や自治体、取引先企業に対して、化学品や化学物質について正確にすばやい情報提供が可能になる。データ管理のためには、承認ワークフロー機能やチェックシートが搭載されているため、信頼性の高いデータを蓄積できるという。
そのほか業務の規模に応じて柔軟にシステム導入できるため、初期コストを抑えられるのも特長としている。価格は1000万円(税別)より。富士通では、2011年3月末までに30システムの販売をめざす。
■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2009/04/9.html
( 川島 弘之 )
2009/04/09 17:53
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