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デルとオラクル、エンタープライズ分野でのパートナーシップを強化

共同での営業体制を確立、パッケージ製品も提供開始

 デルコンピュータ株式会社と日本オラクル株式会社は9月18日に共同で記者会見を行い、エンタープライズ分野でのパートナーシップを強化し、共同営業体制を構築することを発表した。デルでは、PowerEdgeシリーズとオラクル製品を組み合わせたパッケージの直販を開始する。またデルの法人営業部門に「OracleDirect」のスタッフ10名が常駐し、共同で営業活動も行う。


デル・コンピュータ代表取締役社長 浜田宏氏
 デルの代表取締役社長 浜田宏氏は、同社のエンタープライズ戦略を「いままでのスケールアップに対して、業界標準技術であるIAサーバーを並列につないで機能の拡張を図るスケールアウトを推進していく」と語った。このメリットとして、「ビジネス規模に応じて順次サーバーの拡張が可能」「導入からメンテナンスを含めたコストで4分の1~6分の1になった例もあるなど、投資対効果が高い」「標準化した技術を用いており、導入や管理、拡張が容易」などを上げた。そしてこの販売戦略が、同社のビジネスモデル最大の特徴である直販による、顧客からの要望を直接反映したものであることを強調。現在IAサーバー市場全体で2位の同社だが、「Linuxベースでは2年連続1位を続けており、近々総合でも1位になるだろう」との見通しも示した。また今後同社では8wayサーバーの出荷を中止し、2way、4wayサーバーを並列したクラスタシステムの出荷に注力することも発表された。


日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏
 オラクルの代表取締役社長新宅正明氏は、今回の両社の協業を「ともにIAサーバーを重視しており、Linux、Windowsサーバー市場とスケールアウトによるハイエンド化の拡大を提唱している点、さらにダイレクトビジネスモデルを採用していることでも共通している」とし、「今後はアメリカで既に発表されたOracle10gとの組み合わせで、スケールアウトを加速したい」と述べた。

 今回の提携を受け、デルでは主に中堅企業にむけてPowerEdgeシリーズとOracle9iを組み合わせたパッケージ製品の販売を行っていく。販売第1弾となるPowerEdge 1750とOracle9i/Databaseのパッケージは、Windows Server 2003 Standard Edition、Oracle9i Database Standard Edition(10ネームドユーザー)の構成例で80万円から。PowerEdge 2600、2650との組み合わせもあり、それぞれWindows版とLinux版が用意された計6ラインアップとなっている。今後はOracle9i Application Server、Oracle Collaboration Suite、E-Business Suiteと組み合わせたパッケージをそれぞれ11月、12月、来年に発売していく予定。

 また10月より、デルの法人営業部門に日本オラクルのオンライン営業部隊である「OracleDirect」のスタッフ10名が常駐し、デルの直販体制を生かした電話でのコンサルティングや、「i-Seminar」「Web Diagrammer」などOracleDirectのシステムを活用したオンライン経由の営業を展開していく。またサポート窓口はデルに一本化され、ソフトウェア障害に関してはデルからオラクルへの連絡が行われるため、顧客にはシームレスなサポート環境が提供される。



URL
  デルコンピュータ株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース(日本オラクル)
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=957


( 編集部 )
2003/09/18 17:57

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