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日本HP、「Linuxでアダプティブ・エンタープライズへ」

~LinuxWorld C&D/Tokyo 2003基調講演~

日本ヒューレット・パッカード株式会社 LinuxマーケティングProgram Manager 服部 真也氏
 9月24日・25日に開催された「LinuxWorld C&D/Tokyo 2003」で、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)のLinuxマーケティングProgram Manager、服部 真也氏が「Linux: The Next Stage」と題した講演を行った。

 日本HPでは、従来より「アダプティブ・エンタープライズ」という概念を前面に出している。企業がITとビジネスを同化させ、ビジネスの変化に対して迅速に対応できる状態になるということだが、同氏によれば、そこに至るまでには3つのステージがあるという。1つ目は「ビジネスの安定」で、多くの企業ですでに導入されている、IAサーバー、ストレージ、管理ツールなどの製品がこれにあたる。2つ目のステージは、ブレードサーバーやクラスタリングなどによって実現される「ビジネスの効率化」。そして最後のステージは「ビジネス上の変化に対応できる俊敏性」。すべてのリソースを仮想化するユーティリティデータセンター(UDC)やグリッドコンピューティングがこの段階になる。

 全世界のHPでは、上記の全ステージで3200以上のLinuxシステムが稼動しており、致命的なトラブルは起こしてないという。また同社のラボでは100台以上のクラスタで構成されたUDCを構築し、管理の負担増なしにパフォーマンスだけを高めることに成功したとし、「こうした社内での実績があるからこそ、顧客にもLinuxを勧めることが可能なのだ」(服部氏)と、Linux導入に不安を感じる必要はないと述べた。「極端な話、コストや安定性など、ビジネスを成功に導くすべての要因を検討した結果、たまたまLinuxだったということだ。WindowsなりHP-UXなりで可能だったのであれば、そちらを使っていたかもしれない。逆に言えば、Linuxはそれだけ競争力のあるものになっているということだ」。

 サポート面でも、同社はLinuxに関してはNo.1を自負しているとし、「ワールドワイドの対応のほか、日本でもLinuxコンピテンシーセンターにより、ローカライズされたサポートも提供している」という。

 また、講演中再三にわたって服部氏が強調していたのは、オープンソースであるLinuxはコミュニティのものだということ。「中にはLinuxを独占しようとした団体もあるが」と皮肉まじりに語った場面もあったが、同社はコミュニティとともに歩んでいくという。「当社ではすでに200以上のソフトがオープンソースを一部取り入れており、オープンソースはITインフラの中に深く浸透していくものになるだろう。その実現のために、当社は積極的にオープンソースを推進していく」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  Linux(日本HP)
  http://www1.jpn.hp.com/products/software/oe/linux/index.html


( 編集部 )
2003/09/26 10:26

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