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デル、IAサーバーとLinuxによるスケールアウトを推進

~LinuxWorld C&D/Tokyo 2003基調講演

デルコンピュータ株式会社 デル・テクノロジ・コンサルティング本部長 長谷川 恵氏
 新宿NSビルで9月24・25日に開催された「Linux World C&D/Tokyo 2003~Linux導入について考える。現状の課題と解決策~」において、デルコンピュータ株式会社デル・テクノロジ・コンサルティング本部長 長谷川 恵氏による「DELL+Linuxが実現する新たなコンピューティング・ワールド」と題したビジネストラック講演が行われた。

 同氏はまず、デルのエンタープライズ戦略として、TCO削減とROIの向上、リソースの有効活用、簡素化、管理性、可用性とパフォーマンスの5つを示した。これらを実現するために「中小企業から大企業までを対象に、業界標準技術であるIAサーバー、Linuxをベースとしたシステム、さらにストレージ、ソフトウェア、コンサルティングといったLinuxを取り巻くすべてのサービスを提供する」と述べた。

 市場の標準化動向を見てみると、現在すでに出荷台数の90%はIAサーバーとなっており、Webサーバー分野ではほとんどをWindows/Linuxが占めている。データベースでもブレードサーバーによるクラスタシステムでの運用が可能なOracle 9i/RACとの組み合わせがシェアを伸ばしている。またデータセンターでもUNIXのシェアは17%に減少した一方、Linuxは20%に増加している。ただ売上高ではUnixが55%を占めており、高コストであることを示した格好だ。長谷川氏は、「将来はこの分野でもOracle 10gとIAサーバーの組み合わせによるマイグレーションが進むだろう」との見通しを語った。

 性能面においても、RISCシステムのUNIXサーバーとIA 2wayのWindowsサーバーによるOracle Databaseの動作を比較した場合、ハードウェア、管理を含むコストが46%削減されているにもかかわらず、性能では上回っている。またIA 8wayサーバーとデルの4wayサーバーPoweredge 6650sを2台と比べても、同様のテストで73%の性能向上、25%のコスト削減が可能となるなど、高いROIが実現する。

 デルがIAサーバー市場に参入して4年が経過し、現在までに9四半期連続でLinux市場で出荷台数1位となっている。今後も「長期的な稼働を視野に、前もって巨大な初期投資を行うスケールアップではなく、IAサーバーを並列につなぎ、業務の拡張にあわせてシステムの増強を行えるスケールアウトを推進していく。これにより稼働率とパフォーマンスの向上とともに、高いROIを提供する」とした。また、業界標準によりIT資産管理が容易になるメリットも挙げた。

 またデルではここ数年、デル・テクノロジー・コンサルティング(DTC)に力を入れている。提供しているのは、e-ビジネス、Oracle Enterprise System、HPCC(High Prefomance Computing Clusters)、UNIX to IAマイグレーション、サーバー・ストレージ、サーバー・ベースド・コンピューティング、Microsoft Business Solution、Linux Enterprise System、ネットワーク・インフラストラクチャの9部門で、これらを組み合わせたシステムの導入サービスを行っている。なかでもOracle 9i/RACを用いたIAクラスタシステムの要望は市場でも高く、導入例も多いとのことだ。



URL
  デルコンピュータ株式会社
  http://www.dell.com/jp/


( 編集部 )
2003/09/26 10:25

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