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代表取締役社長兼COO 樋口泰行氏
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日本ヒューレット・パッカード株式会社は、11月1日付けで、営業部門の一本化を含む、大幅な組織改革を行うことを明らかにした。本誌の取材に対して、同社代表取締役社長兼COOの樋口泰行氏が言及した。
昨年11月の新生・日本HP誕生を前に、昨年夏時点で営業部門の再編を行っていた同社だが、これまでは大きな意味の統合は図っていたものの、合併前の旧日本HPおよび旧コンパックの営業体制に準じていたため、製品別、ユーザー規模別、業種などといった点で一部重複した営業体制となっていた。
今回の営業体制の再編では、「テレコム」、「製造」、「金融その他」の3つのインダストリー別体制を軸にした組織へと一本化し、直接販売と間接販売部門の協業体制も図る。これにより、依然として社内にも残っていた旧日本HP、旧コンパックという分割された色彩を、一気に払拭するのが狙い。
また、プリセールス部門、コンサルティング&インテグレーション部門も、営業体制の一本化に伴って、「テレコム」、「製造」、「金融その他」の3つのインダストリー別体制に再編。営業体制を支援するバリューチェーン型の仕組みとする。
さらに、カスタマーサポートについても、これまではユーザー規模別や製品ごとに分割されるなど、顧客満足度を高める体制にはなっていなかったことから、11月以降、再編に着手する考えを示した。
樋口社長は、今回の組織改革を、「社長就任から半年を経過し、いよいよ樋口カラーを出した組織体制とした打ち出すもの」と位置付けており、40歳代の若手の積極的な登用とともに、「ひとつのプロセス、ひとつの仕組み、ひとつのマインドによる組織体制とする」と基本的な考え方を示す。さらに、「活性化、フラット化、若返りが新組織体制のポイントになる」とする。
昨年11月の新生・日本HPの設立から1年。今年5月の樋口社長就任から半年という節目のタイミングでの大幅な組織改革となる。
「サーバーの低価格化によるボリュームビジネスの強化、アダプティブエンタープライズなどによるバリュービシネスの体制充実というように、2つの事業戦略における製品、サービスが揃ってきた。本番はこれから。強い会社、強い営業体制への脱皮を図る」と新組織体制での事業拡大に意欲を見せている。
新組織の正式発表は10月中にも社内を対象に行われることになりそうだ。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
( 大河原 克行 )
2003/10/01 10:22
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