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日本IBMの理事 ゼネラル・ビジネス事業部長 大石憲司氏
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日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は10月6日、中堅・中小市場向けの新事業戦略を発表した。同戦略に伴って、中堅・中小市場向け製品・サービスである「IBM Expressポートフォリオ」の投入と、ビジネスパートナー支援を行っていく。
2003年のIT需要における従業員999人以下の市場は、3兆6000億円にのぼるという。こうした市場では、ようやくインフラは整いつつあるが、ERP、SCMといったソリューションでは、導入済みの企業よりも、これから導入予定という企業が多くなっている。ただし、ITソリューション導入に際しては、人材の不足、明確な投資効果が認められないと予算が下りてこない、多機能であるが故に必要以上の機能がある(=価格が高い)などの壁があった。
今回日本IBMが打ち出した戦略は、こうした現状を打破し、中小規模の市場において日本IBM製品を普及させる目的がある。現在は同社とパートナー企業の営業員が営業活動において競合しているが、今後はパートナーが主体となって営業活動、ソリューションの提供を行い、市場の開拓を目指していく。同社はそのバックアップのために、営業支援、キャンペーン、インセンティブなどの部分で2003年中に50億円を投資し、パートナーに対する支援要員を本年度、来年度ともに100人程度増員する予定。
また「必要な機能を、必要な規模で、購入しやすい価格により提供する」IBM Expressポートフォリオを、パートナー企業がソリューションの「部品」として使用し、顧客の課題を解決するという。現在はWebSphere、Notes、DB2、Tivoliといった同社製ミドルウェアのExpress版、pSeriesのサーバー機、ホスティングサービスなどがExpressポートフォリオとしてラインアップされているが、今後はIAサーバー機(xSeries)やパーソナルコンピュータ(ThinkCentre、ThinkPad)、業務ソリューションなどの追加も予定されている。
日本IBMの理事 ゼネラル・ビジネス事業部長 大石憲司氏によれば「中堅・中小規模の市場には今チャネルがないので、パートナーを支援することで開拓していく。こうした取り組みを行うことによって、パートナーやユーザーから今まで聞こえなかった声も聞こえるようになっているので、今後に生かしていきたい」とのこと。
■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース
http://www.ibm.com/news/jp/2003/10/10061.html
( 石井 一志 )
2003/10/06 14:14
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