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ソニー株式会社取締役 代表執行役 会長兼グループCEO 出井伸之氏
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7つの先導的な取り組み
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10月7日より開催されている「CEATEC JAPAN 2003」において、IT戦略本部の構成員である、ソニー株式会社取締役 代表執行役 会長兼グループCEO 出井伸之氏が「e-Japan戦略II ~日本がネットワーク社会をリードする~」と題した講演を行った。
出井氏が再三主張していたのは、「縦から横」への変革である。会社、役所などの組織は、今までは縦割りで運営されていたのがほとんどであった。ビデオなどAV機器の工程を例にとっても、過去は設計から製造、販売まですべて1社でまかなってきたという。しかしPCの世界はどうかといえば、「OS、CPU、組み立て、販売などを別の企業が担当する水平分業の世界。かつて日本は、この水平分業を過小評価してしまい、AV型産業のままでPCに進出して痛い目にあっている」(出井氏)ということなのだ。
そうした世界の中で何をしていけばいいのかということについては、「横(=水平分業)の役割の中で自分の立場を見つけることが大事。ビジネスモデル、平たく言えば利益を出すモデルを作っていかないと負けてしまう」(出井氏)と述べた。
では、e-Japan戦略はどこに進んでいくのだろうか。出井氏は「IT戦略会議は、省庁という組織の縦割りの中に横の概念を持ち込むことができた」と述べ、さらに「今回のフェイズ2では、フェイズ1で整備されたインフラの上で、ITの技術を使って横のアプリケーション基盤を整備する。そのために、7つの先導的な取り組みを掲げ、対応していく。この中から新しいビジネスモデルが生まれてくるのではないか」とした。
最後に出井氏は「日本中が力を合わせていかないといけない時代だが、日本のエレクトロニクス産業はパテントを使いあうなど協調性がある。製造業をやっとはじめたという国に比べれば、日本企業は相当に高い技術を持っているし、方向性さえ誤らなければ大丈夫」と語り、講演を締めくくった。
■ URL
CEATEC JAPAN 2003
http://www.ceatec.com/
( 石井 一志 )
2003/10/07 16:08
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