日本オラクル株式会社と日本ヒューレット・パッカード株式会社の共催による「Real Application Cluster Summit 3」が、10月14日に東京コンファレンスセンター品川で開催され、DDIポケット株式会社サービス開発部の遠藤靖志氏による「インターネットを自由にするAirH"PHONEを支えるセンターにもとめたもの」と題する講演が行われた。同社では、今年の4月1日よりサービス提供を開始したAirH"PHONEのセンター設備のうち、認証DB、ポケットサイト、コンテンツGataWay、課金DBの4つのサーバー群でHPサーバーとOracle製品を採用している。
AirH"PHONEセンターの設計にあたっては、24時間365日サービスを停止しないことと、システムで扱うデータの一貫性の確保が最重要の要件とされたほか、「価格競争力を維持するため、初期投資を抑えることが非常に重要だった」。このため個々のサーバーに求められるレベルに応じたハード、ソフトを利用することで、導入コスト削減に加えて短期間でのシステム構築も実現したという。
一方で「AirH"PHONEのようなサービスは、将来の需要が読みにくく、トラフィックが急激にのびる場合もあるので、これに対応できるよう、需要にあわせたリソースの増強が行えるスケールアウトアーキテクチャが最適」とした。
同氏は、「売り上げに利益がついてくるという発想ではなく、効率よく投資、効率よく回収しないと設備投資が不良化しかねない」とし「利益を出すのであれば、出ていく方を抑えて最小の投資で最大の効果を得る」ことが、「NTTなどの他キャリアと比べ、売上高が少ない」同社が目指すべきところとした。
同氏は最初、「Oracle 9i RACによるスケールアウトでミッションクリティカル運用が本当に可能か?」と、半信半疑だったとのことだが、HPによるrp5470 L-class 4CPUでの2ノードから7ノードまでの検証結果と、「「トラフィックが急激にのびても必ず乗り切れる」とのHP担当者の言葉を信じて」導入を決めたそうだ。4月1日のサービス開始後も大きなトラブルなく動いており、「短時間で可能とされているシステム増強の機会が、いまのところまだないのが残念」とのことだ。
認証DB、ポケットサイト、コンテンツGataWay、課金DBの4つのサーバーのうち、AirH"PHONEからのアクセス時にユーザー認証を行い、ポケットサイトとコンテンツGataWayに情報を提供する認証DBにおいて、24時間365日サービスを停止しないミッションクリティカル性が特に求められた。このサーバーへの1件あたりの処理は小さいものの、短時間にアクセスが集中する可能性もあり、ダウンした場合にはAirH"PHONEからアクセスが行えなくなるため、極めて高い信頼性が要求される。このシステムで、Oracle 9i RACとHPのrp5470×2、HP StrageWork Disk Array VA7100×2によるシステムが利用されている。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
DDIポケット株式会社
http://www.ddipocket.co.jp/
Real Application Cluster Summit 3
http://hp-seminar.com/rac3/
( 岩崎 宰守 )
2003/10/14 19:55
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