10月29日、「Network Summit 2003」(日経BP社・主催)がホテルニューオータニで開催され、「「インフラ+柔軟性」が実現する企業ネットの理想像」と題して、米Extreme Networks COO(最高執行責任者)のアレクサンダー・グレイ氏が講演を行った。
■ ネットワーク機器を取り巻く状況と今後
|
米Extreme Networks COO アレクサンダー・グレイ氏
|
まず同氏は日本でのネットワーク機器市場の現状を語った。これを見ると2000年以降、規模が減少しているものの、LANスイッチと無線LANに限っては、わずかながら増加している。
LANスイッチの市場を細かく見ると、IDCの試算ではレイヤー2スイッチが減少を続ける一方、レイヤー3スイッチが大幅に伸び、全体では2003年以降増加すると予測されている。
同氏はこれまでのネットワーク状況の変遷について、「以前はさまざまなプロトコルが乱立し、それに対応するスイッチが普及していたが、1997年にEthernet、IPのみをサポートするレイヤー3スイッチの時代に入った」とし、今後は「VoIPやマルチメディア、SANなどのアプリケーションの要求により、広帯域幅かつ低レイテンシなプログラマブルコアを備え、また無線LANなど多様なデバイスからシームレスにアクセスできる柔軟性を備えたものが主流になる」と語った。
無線LAN技術については、従来からの認識を変えるもので「単なるアップグレードではない」と語った。この技術により「モバイルPCはもとより、監視カメラや家電にまで利用デバイスが広がりつつあり、爆発的なデバイスの増加が見込まれる」とし、「今後は数百万からの接続要求を想定したネットワークが求められるだろう」と語った。
このほか同氏は、企業内でのネットワークインフラについて、「コスト面での長所は過去のものとなり、今後は新たなサービスや利点に重点が置かれる」と語った。
■ Extreme Networkの取り組み
Extreme Networkは1996年の創業以来、レイヤー3スイッチを手がけて大きな成長を遂げた。現在では「収益の60%は海外で上げている。収益の20%を占める日本は、米国に次ぐ市場と認識している」とのこと。
同社では、Ethernetケーブルを使って電源を供給するPower over Ethernetの標準規格「IEEE802.3af-2003」に準拠した「Summit 300スイッチ」と、セキュアな無線LAN環境「Altitude 300無線アクセスポイント」を出荷しており、すでに米Coca-Cola Enterpriseなどで導入されている。また広帯域、低レイテンシで、数百万デバイスの接続が可能な次世代スイッチの開発も進めているとのことだ。
同氏はExtremeのビジョンである「“Ethernet Everywhere”がもっとも実践されているのは日本だ」と語り、講演を締めくくった。
■ URL
Network Summit 2003
http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/ns2003/
Extreme Network
http://www.extremenetworks.com/
( 岩崎 宰守 )
2003/10/29 20:41
|