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インテル吉田社長「戦略的IT投資により業務効率を改善」 |
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～Network Summit 2003 講演
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10月29日、「Network Summit 2003」（日経BP社・主催）がホテルニューオータニで開催され、「超効率経営を支えるインテルのコンピューティングとコミュニケーション技術」と題して、インテル株式会社 代表取締役共同社長の吉田 和正氏が講演を行った。 ■ コンピューティングと通信の融合
コンピューティングの面では、ムーアの法則を取り上げながら「現在Itanium 2では4億トランジスタを搭載しているが、これが2007年には10億トランジスタ、周波数は10GHzに達する」とし、今後も法則が続いていくことを明言した。 同社は10年先のシリコン技術までにめどを付ける方針で、すでに2011年には実用となる22nmプロセスの研究開発を進めているとのことだ。 一方の通信技術について、まず日本での携帯電話契約数とブロードバンド加入者数の伸びを実数で示し、「このところの通信の広まりにより、通信がコンピューティングのコアになりつつある」と語った。 ■ インテルでのTCO削減への取り組み 同社は世界45カ国で約8万人の社員を抱えており、サーバーは25,000台、ストレージは2ペタバイト、クライアントとしてデスクトップ35,000台、ノート65,000台、PDA10,000台がそれぞれ稼働しているとのことだ。同社では1995年からIT効率の向上に取り組み始め、1998年までの3年間で53％ものTCO削減を果たした。その後も年率10％のTCO削減を目指して、取り組みを続けている。 現在ではハードウェアの更新サイクルを3年に設定し、クライアントPCのハードウェアメーカーを1社に、OSのバージョンをWindows XPとWindows 2000の2つに統一した。この3年という数字は社内での検証に基づいており、「これが4年になると、OSの保証期間やデバイスドライバの問題、さらにハードウェアの故障など、ソフト/ハード両面でコストが増加する」としている。またハードウェアとOSの標準化により、「設定が大幅に減り、特にサポート面でのコストが激減した」と語った。 同氏はこれらのことから「ハードウェアやソフトウェアのコストよりも、業務の能率やシステムの運用を改善したほうが効果は大きい」と語った。 ■ 旧OSのセキュリティリスク 講演はここで中断され、会場にはインテルIT担当者の語るビデオが流された。これによるとアメリカでは、セキュリティ担当者の9割が外部からの不正侵入を試みられた経験を持っている。クラッカーはOSの脆弱性を突いてバックドアを仕掛け、これはHTTPのトラフィック、すなわちポート80番を経由して行われるため、ファイアウォールのみのセキュリティ対策では不十分で、OSの修正プログラム適用、最新のウイルス定義ファイルへの更新といったクライアントレベルの対策が重要になっている。現在ではWindows 95やWindows 98などの旧OSでの脆弱性へのサポートは行われておらず、アメリカではこれらのOSで作られた会計情報は認知しないという「米国企業改革法」（Sarbanes-Oxley Act 404）も施行されるなど、企業においてもセキュリティはすでに無視できない事項になっている。 ■ インテルのモバイルコンピューティングへの取り組み 同社では1998年から、デスクトップからノートへの移行を始めている。同社の試算によれば、そのTCOの差は800ドルにまで縮まり、一方でPCの自宅・会議室・客先での利用が増加していることから、この取り組みを始め、現在日本インテルでは、すでに95％のユーザーがノートPCを利用しているとのことだ。同社では、さらに業務効率を高めるため、世界80カ所で無線LAN環境を導入した。「ガードナーの調査によると、ノートでは、デスクトップと比較して業務効率は週あたり3時間向上する」とし、さらに「無線LANの導入により8時間になる」とのことだ。同氏は、マイクロソフトではノートと無線LANの導入コストを18カ月で回収したとの数字も示した。 同氏は、「業界全体が通信インフラとコンピューティングの向上に向かっている。今後も戦略的なIT投資による効率経営を続けて企業の競争力を維持したい」と語った。 ■ ＵＲＬ Network Summit 2003 http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/ns2003/ インテル株式会社 http://www.intel.co.jp/
（ 岩崎 宰守 ）
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