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i2テクノロジーズ・ジャパン、「i2 Planet Asia 2003 in Tokyo」を開催

ハイテクや自動車、流通分野などでのSCMの最新動向を紹介

 i2テクノロジーズ・ジャパン株式会社は11月6日、「Moving Toward Demand-Driven Supply Chains ~ SCMとプロセス革新―世界のトップ企業が成し遂げたこと~」をテーマに、プライベートカンファレンス「i2 Planet Asia 2003 in Tokyo」を東京・帝国ホテルで開催する。これに先だって11月5日に記者説明会が行われた。

 i2テクノロジーズ・ジャパン株式会社は、米i2 Technologies,Inc.の日本法人。企業の需給バランス最適化を支援するサプライチェーンマネジメント(SCM)ソリューションの開発を行っている。

 i2 Planet Asia 2003 in Tokyoは、日本やアジアのビジネスリーダーを対象にSCMの最新動向を紹介するもので、東京での開催は昨年に続き2回目。自動車業界に強い同社が、東京モーターショーにあわせて開催する。i2 Technologies,Inc. COO(最高執行責任者)の中根 滋氏の基調講演、独DaimlerChrysler 生産計画・スケジューリング部門ディレクターのリチャード・E・ブラウン氏による「Driving Supply Chain Stability」をテーマにした講演に加え、ハイテクや自動車、流通などの分野で、国内外の企業担当者による事例紹介が行われる12のブレークアウト・セッションやデモンストレーション、協賛各社のブース出展が行われる。


日米自動車業界の動向とSCMの役割

i2 Technologies,Inc. COO 中根 滋氏

独DaimlerChrysler 生産計画・スケジューリング部門ディレクター リチャード・E・ブラウン氏

i2 Technologies,Inc.上席副社長 自動車産業機械担当 トム・メレデス氏
 今日の記者会見には、独DaimlerChryslerのブラウン氏が出席し、自動車業界のSCMに関して触れられた。

 同社中根氏は、「国内の需要が天井を打ち、出荷台数がのびていない。いまは需要があるその場、例えば中国なら中国で生産を行うのが、世界的に見てベストプラクティスになりつつある。日本各社はアメリカ市場でシェアを拡大していることに加え、2003年には中国・インド・東南アジアをあわせた出荷台数が国内を上回るだろう」と述べ、「自動車業界のビジネスモデルが大きく変わろうとしている現在、サプライチェーンのグローバル化は必須の条件となっていくだろう」と語った。このためには、「本社ですべてを統括するのではなく各地域に権限を大幅に委譲して、個別に生産の最適化をしながら全体でも最適化を行う必要がある」とし、また「盲目的にパッケージを信じてコストを削減するのではなく、ツールの導入によりプロセス・ワークフローを変え、企業文化を変革していくことが大事」と語った。同氏は続いて、同社のSCMソリューションについて「自動車業界には自信を持っている」とし、「今後もツール開発に専心して、日本企業がローカルからグローバルへ転換を図る援助をしていきたい」と語った。

 DaimlerChryslerではi2のSCMプランニングツールを導入している。ブラウン氏は「年間300万、1日12,000台の生産管理を行っている」とその導入実績を語った。「設計から資材・部品調達における需給予測や、組立、流通の各段階を反映することで、生産計画が効率化しただけでなく、信頼できる安定したものになった」と語った。新車種設計や設計変更での膨大な情報の管理も行い、期間の短縮も実現しているという。また同じベンダーの製品を複数導入するメリットについて「各ツールの相乗効果で、導入前は余地がないと思っていた部分も改善できるものがみえてきた。他部門の業務を理解することにもつながった」と語った。

 i2 Technologies,Inc.上席副社長 自動車産業機械担当のトム・メレデス氏は、アメリカの自動車業界で現在重要な点として「開発時間の短縮、現存資産の活用、他社との差別化」の3点を挙げた。「市場では新車種を求めており、生産知識はもちろん、部品、デザイン、パーツをいかに流用して開発時間を短縮するかがカギになる」とした。続いて現存の資産から、いかに収益を上げるかについては、「例えば一つの生産ラインで多くの車種を組み立てることができるか、これがツールで柔軟にできてしまうのは業界にとって大きな変革になる」とした。また「購入後のサービスで、納品スピード、顧客満足度を上げる」点も重要とした。こうしたサービス領域はメーカーにとって収益性が高く、また他社と差別化を図れる」と語った。i2は世界120社以上の自動車関連企業を顧客としており、「この80%以上は3つの何らかに対応している」と語った。



URL
  i2テクノロジーズ・ジャパン株式会社
  http://www.i2j.co.jp/
  i2 Planet Asia 2003 in Tokyo
  http://www.i2j.co.jp/i2planet2003/
  DaimlerChrysler
  http://www.daimlerchrysler.com/


( 岩崎 宰守 )
2003/11/05 18:10

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