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代表取締役社長 鈴木和洋氏
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ダブルクリック株式会社は11月5日に記者説明会を開き、10月20日に発表されたメディア事業の営業譲渡と、今後注力するというマーケティングに特化したIT事業についての概要を発表した。
営業譲渡が行われるメディア事業とは、主にWebサイト上の広告枠の販売代行事業と電子メール配信事業。米DoubleClick社は2002年に同事業の売却を完了しており、日本はこれを追従した形となる。営業譲渡の理由として代表取締役社長の鈴木和洋氏は「インターネット環境が整い広告を自社で売買する企業も増えるなど、事業としての役割を終えた」と説明し、「マーケティングに特化したテクノロジーソリューション事業に転換することにより、2004年度中には黒字化を目指す」と今後の目標を語った。
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今後の事業概要
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同社は今後、マーケティング商品の拡充や開発・コンサルティングを含めたサービス、商品の販売チャネル確保に注力するという。鈴木氏は「現在、日本では広告配信とEメールマーケティングのみしか商品がないが、来年度には米国で販売している商品を日本でも扱っていく予定」とした。鈴木氏はさらに「日本のマーケティングはまだまだ遅れている。できるだけコストをかけずに商品を売りたいというニーズに応え、有力企業と提携して販路を拡大し、ネットを使った効率的なマーケティングをトータルでサポートしていく」と今後の展開を語った。
説明会には米DoubleClick社CEOのケビン・ライアン氏も同席し、ネットを使ったマーケティングについて説明を行った。ライアン氏によると、ブロードバンドの普及によりインターネット上でのリッチメディア(音声や動画)を使った広告が広まっているという。ライアン氏は「オンライン広告におけるリッチメディアの割合は現在の10%から、2008年には28%に増え、テレビにも劣らない品質となるだろう」と今後の展望を語った。また、メディア事業の売却を日本に先駆けて行った米DoubleClick社について「売却先の企業も業績は好調で事業として問題があったわけではない。売却を行ったことにより変遷していくオンライン広告にも対応していくため、テクノロジー分野に経営資源を集中する」と説明した。
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米DoubleClick社CEO ケビン・ライアン氏
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オンライン広告に占めるリッチメディアの割合の推移
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■ URL
ダブルクリック株式会社
http://www.doubleclick.ne.jp/
( 朝夷 剛士 )
2003/11/05 15:09
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