最新ニュース
JPCERT/CC、インターネット定点観測システムの運用を開始
ポートスキャンのログ情報を元にセキュリティ情報を提供
有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター 松本直人氏
有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(以下、JPCERT/CC)は11月5日、JPNICと共同で開催しているセキュリティセミナーにおいて、インターネット定点観測システムのテスト運用を開始していることを発表した。
インターネット定点観測システムは、インターネット上に複数のセンサーを設置して、送信元のIPアドレス/ポート番号、送信先ポート番号のログを収集するもの。ここから特定ポートへのスキャンの増加などの情報解析を行い、12月からネットワーク/システム管理者向けに提供する予定となっている。
JPCERT/CCの松本直人氏は、「インターネット環境全体の保全のためには、異変の兆候を察知して、事前に状況を把握することが重要」と語った。また10月21日から24日のログを見せながら、Blasterの亜種とされる「Nachi/Welchiaによるポートスキャンの増加はまったく収まっていない。むしろ定常化、拡散傾向を示している」とし、引き続きの注意も促した。
センサーは、その設置場所や管理主体、組織によって違う挙動を示すとのことで、JPCERT/CCでは増設にあたってさまざまな情報の収集を行うため、個人・組織へ向けても参加を呼びかけていくとしている。
今後JPCERT/CCでは、センサー増設のほかに、情報収集/解析チームの強化を行い、強固な予防観測態勢を確立していく。また将来的には、脆弱性やウイルスの情報なども総合的に分析した、インターネットのセキュリティ情報を「天気予報のように」提供したいと語った。
■
URL
有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター
http://www.jpcert.or.jp/
Japan Network Information Center(JPNIC)
http://www.nic.ad.jp/
JPNIC・JPCERT/CC Security Seminer 2003
http://www.nic.ad.jp/security-seminar/program.html
( 岩崎 宰守 )
2003/11/05 18:57
Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.