Enterprise Watch
最新ニュース

JEITA、ミッドレンジの上期出荷実績を発表

台数増も単価下落が響き、金額では前年割れ

 社団法人電子情報技術産業協会は、2003年度上期のメインフレームコンピュータおよびミッドレンジコンピュータ、ワークステーションの出荷実績を発表した。

 メインフレームコンピュータの上期出荷台数は、台数で前年同期比32%減の448台、金額では同35%減の1,234億円となった。単価が2億5000万円以上の大型クラスが前年同期比61%減の71台、4,000万円以上2億5000万円未満の中型クラスが36%減の243台と大幅に減少したのに対し、4,000万円未満の小型クラスが台数で44%増の134台、金額で115%増の68億円となった。

 前年に見られた金融分野、通信分野における情報化投資が一段落したことで大型クラスの伸びが鈍化。その一方で、小型クラスではサービス分野や国家公務および政府関係機関などに対して導入が促進された。

 ミッドレンジコンピュータの上期出荷実績は台数で前年並みの87,011台となったものの価格低下の影響を大きく受けて、金額では前年同期比22%減の2,346億円となった。

 OS別にみるとUNIX系サーバーは台数で25,887台(前年同期比1%減)、金額で1,443億円(25%減)。NOSサーバーは、台数で58,432台(1%増)、金額で643億円(8%減)。一方、独自OSサーバーは台数では2,122台と前年同期比2%増となったものの、金額では32%減の258億円と大幅に落ち込んだ。

 OS別の金額ベースの構成比は、UNIX系サーバーが全体の62%を占めたほか、NOSサーバーが27%、独自OSサーバが11%となっている。UNIX系サーバーとNOSサーバーをあわせたオープンサーバーの合計では台数では1%増の84,319台、金額では20%減の2,085億円。

 ミッドレンジコンピュータ全体を価格帯別に見ると、100~300万円未満が台数では10,308台と前年同期比23%増と大幅に伸張。次いで100万円未満が64,984台で前年同期比2%増。それに対して、300~1,000万円未満が22%減の8,550台と大きく落ち込み、4,000万円以上は13%減の464台となった。

 ミッドレンジコンピュータの産業別出荷状況に見ると、製造業が構成比で最も多く31%を占め、次いでサービス関係と公共関係がそれぞれ21%。e-Japanの影響もあって、公共関係への出荷が増加しているのが目立つ。

 なお、同協会では、一部パソコンの出荷統計に含まれているIAサーバーと、ミッドレンジの出荷統計に含まれているNOSサーバーをあわせたIAサーバーの出荷統計を発表しているが、それによると、上期の国内出荷台数は、前年同期比20%増の144,888台となったが、外資系メーカーを中心とした相次ぐ価格引き下げ戦略の影響もあって、システム金額では、9%減の1,131億円とマイナス成長となった。


 一方、ワークステーションの上期の出荷実績は、台数では前年同期比15%減の31,259台、金額ベースでは34%減の245億円となった。ワークステーションでは、100~300万円未満での落ち込みが激しく、台数では前年同期比45%減の5,004台、金額でも44%減の104億円と大幅な減少となった。

 なお、同協会では、今年度通期の見通しとして、メインフレームコンピュ-タは、減少傾向が続くとするものの、社会インフラでの活用など高い信頼性を求られる分野において、根強い需要があるとしたほか、ミッドレンジコンピュ-タに関しては、IT投資の中核としての需要が見込まれるのに加えて、経済環境の改善が企業のIT投資の回復にも影響を及ぼすと予測。台数では前年同期比105%とした。だが、ミッドレンジコンピュータの金額ベースの推移については、今年度前半に価格下落が激しかった影響もあって、通期でも前年比15%減のマイナス成長を予測している。



URL
  社団法人電子情報技術産業協会
  http://www.jeita.or.jp/japanese/
  ニュースリリース
  http://it.jeita.or.jp/statistics/midws/h15_2q/index.html


( 大河原 克行 )
2003/11/07 08:23

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.