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トンプソンCEO「警告サービスと統合管理をより重視して欲しい」

~Symantec SecureXchange 2003 基調講演

 株式会社シマンテックは11月11、12日に、今回で3回目となるプライベートカンファレンス「Symantec SecureXchange 2003」をグランドハイアット東京で開催した。11日には「シマンテックのセキュリティ・ビジョンとエンタープライズ・セキュリティ戦略」と題し、米Symantec Corporation CEO兼会長のジョン・W・トンプソン氏による基調講演が行われた。


米Symantec Corporation CEO兼会長 ジョン・W・トンプソン氏
 講演に先立ち、株式会社シマンテック代表取締役社長の杉山隆弘氏が挨拶を述べた。まずインターネットインフラが普及し情報デジタル基盤が浸透している現在、「企業でのIT投資は軒並み減少する中で、セキュリティだけは伸びている」との調査結果を示し、「企業におけるITセキュリティの重要性の認識が広く浸透してきている証」と語った。

 ただし「企業でのセキュリティ投資はどうあるべきか、これは企業ごとに異なる」とし、同社では、それぞれの要求にカスタマイズされたソリューションを提供できるとした上で、「今回のイベントで自社にとって最高のセキュリティは何かを見つけて欲しい」と語った。

 同氏の紹介を受けて壇上に立ったトンプソン氏は、「長い間サービスを提供し続けること」というシマンテックのビジョンを挙げ、続いて1999年に流行したメール大量送信型のワームと比べながら、2001年に発生したCodeRedに端を発する複合型ウイルスによる脅威の進化と、ネットワークへの侵入などの攻撃回数の増加を取り上げ、インターネットセキュリティの重要性を語った。


企業でのセキュリティ運用にはプロセスが重要

 企業でセキュリティを運用していく上で、「警告、保護、対応、管理の各プロセスを継続していくことが重要」と語った。同社ではここ3年半の間、企業買収を通じてトータルなセキュリティの提供を目指しており、保護段階でのファイアウォールやIDS、アンチウイルスなどだけでなく、現在ではそれぞれの段階で、最適なソリューションの提供を行っている。


セキュリティの各プロセスを循環し続けることが重要となる。 各プロセスごとにセキュリティのソフトウェア/ツールを提供している。

効果的な導入と運用が重要

各ツールを統合管理するシマンテックセキュリティマネジメントシステム
 「セキュリティへの投資は保護と対応に費やされているが、警告と管理をより重視して欲しい」と同氏は語った。シマンテックセキュリティマネジメントシステムは、各セキュリティソフトウェア/ツールを一元管理するものだが、同社の製品だけでなく、「他社ベンダーの製品も管理でき、従来の顧客の資産も無駄にはならない」としている。

 警告の面では、インターネット上でワームによる攻撃とみなされる可能性を見いだしていち早く警告するグローバル早期警告システムの「DeepSight」や、客特有のユニークな脆弱性発見に特化したサービスを提供している。

 「セキュリティ危機への対応は、技術だけでは不足だ」とした同氏は、「今後2、3年で統合への取り組みをさらに進めていく」と語った。



URL
  米Symantec Corporation
  http://www.symantec.com
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.co.jp/


( 岩崎 宰守 )
2003/11/11 16:44

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