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リバティアライアンス、Webサービスでの個人情報連携フレームワークの標準仕様を公開
リバティアライアンスは11月13日、Webサービスでの個人情報の連携フレームワークを定めた仕様書であるフェーズ2と、その導入ガイドラインを世界同時公開した。本日より、日本語版のWebサイトも開設されている。
リバティアライアンスは、サン・マイクロシステムズを中心として2001年9月に設立された標準化団体。欧米や日本のITベンダーのほか、クレジット会社、通信、ISP各業界の企業や、政府機関、大学などの非営利団体あわせて169が加盟し、おもに35社のスポンサーメンバー企業を中心に、標準となるオープンな技術仕様の策定を行っている。当日の記者会見には、RSAセキュリティ、NEC、NTT、NTTドコモ、エリクソン、サン・マイクロシステムズ、ソニー、ノキア、ノベル、HP、ベリサイン、ボーダフォン各社の関係者も出席した。
リバティアライアンス マネジメント・ボード マイケル・コンドン氏
リバティアライアンス スポークスパーソン 下道 高志氏
フェーズ1は、XMLをベースに認証情報を受け渡して、複数のWebサイトへのシングルサインオン(以下、SSO)を可能にする技術仕様だったが、今回のフェーズ2では、Webサービスにおける個人属性情報を交換する仕様が策定されている。ユーザーは、住所や電話番号といった個人情報の再登録の手間が省け、他サイトへの情報許可もコントロールできる。
今回の公開にあわせ、同組織内に、各種サービスにおけるフレームワークの仕様を策定するサービスグループと、認定条件の作成や認定テストを行うコンフォーマンスエキスパートグループが新設されることも発表された。今後はスケジュール連携や位置情報、ユーザー状態通知、ウォレットといったサービスでの仕様策定が行われる。
同団体マネジメント・ボードのマイケル・コンドン氏は、「オープンで相互運用性の高い標準に基づいて実装を可能にすることで、統一の技術、信頼性、ビジネス間の合意といった課題を解決し、付加価値のあるサービスを実現するツールを、グローバルな普及を図っていきたい」と語った。また「携帯電話などモバイルでの利用や、個人情報保護法案など日本固有の要求に沿った仕様もフィードバックしたい」としている。
スポークスパーソンの下道 高志氏は、航空会社でのマイレージのシステムを例に挙げ「企業のもっている顧客情報も生かしながら、複数のサークルの中で、信頼関係のある相手とだけ情報交換できることを目指す」とした。また「今回発表の仕様はすでにドラフト公開しており、対応済みの製品やサービスも近々発表されるだろう」と語った。サービスグループの新設については、「これまではスポンサーメンバーしか仕様策定はできなかったが、今回から全メンバーが仕様策定可能になった。これらは数が多く、非営利団体には米国の国防総省なども含まれており、大きな意味があるだろう」としたほか、「コンテンツプロバイダの数が多いのが日本の特徴。こうしたところとの関係にも期待している」と語った。
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URL
リバティアライアンス
http://www.projectliberty.org/jp/
プレスリリース(英語)
http://www.projectliberty.org/press/releases/2003-11-12.html
( 岩崎 宰守 )
2003/11/13 14:27
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