Enterprise Watch
最新ニュース

ノークリサーチ、2003年度上期国内IAサーバー出荷状況の調査結果を発表

台数は前年比16.1%増、シェアはNECが25.4%でトップ。

 有限会社ノークリサーチは、4月から9月にかけての国内でのIAサーバー出荷状況調査を、NEC、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機などの社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の出荷自主統計参加企業や未参加企業を対象に、10月から11月にかけて行った。対象機種はJEITA定義に準じるものとしている。

 調査によると、出荷台数は対前年比16.1%増の165,600台で、上期過去最高を記録した。同社では景気の影響で買い控えが目立った市況が、2003年度に入り景気回復傾向を反映して投資意欲が上昇したことや、IT投資への減税措置、Windows NTからWindows Server 2003へのリプレース、Y2Kにおけるサーバー導入を行った企業での見直しといった需要を要因に挙げている。購買層・目的を見ると、特に中堅から大手企業を中心に情報系サーバーの増設が目立ち、業種別では自動車産業、地銀、証券、病院の電子カルテ需要、地方自治体でのe-Japan関連需要も好調な分野に挙げられている。金額ベースでは、低価格サーバーの需要が高いこと、ベンダー間の低価格化戦略が進んだことで平均単価が下落し、5.2%減の1,223億円となった。

 メーカー別のシェアでは、NECが25.4%でトップ。大口需要はなかったが、全国での中堅・中小企業向けのエントリーサーバーや基幹系システムへの展開により着実にシェアを維持した。同社では、地域販売店のチャネル販売と安定した直販力、幅広い製品対応、多くの既存ユーザー実績による安定感などをNECの強みに挙げている。続いて富士通が16.7%で2位に返り咲いた。上期終盤における自治体向けの受注活動が好調で、NECと同様に地域販売店のチャネル販売が強みとしている。僅差でデルが16.6%の3位となった。大掛かりな広告展開とWeb/電話による直販で企業の情報系サーバーに浸透している。同社では、ユーザーからの指名によるSI、販売店系を通じた実質的なチャネル販売も目立ってきているとしている。次いで日本HPが15.4%と4位。合併後の組織改革や製品展開が明確な戦術となって表れ、対前年比37%アップとなった。

 同社では、2003年度の通年では好調が続き、出荷台数は356,600台で対前年比15%増と予測している。中堅・中小企業でのインフラ整備が依然活発で、低価格サーバーを中心に導入が進むとしている。またラックマウントサーバーが好調で、企業規模によらず需要が拡大しており、上期にはすでに全体の42.7%を占めていた。ブレードサーバーについては、これまでの大学や研究所を中心としたクラスタ用途から、一般企業への導入が見られ始めているが、同社では市場の本格化は2004年度以降になると見ている。



URL
  有限会社ノークリサーチ
  http://www.norkresearch.co.jp/
  社団法人 電子情報技術産業協会
  http://www.jeita.or.jp/


( 岩崎 宰守 )
2003/11/26 12:08

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.