12月17日、18日に東京ビッグサイトにて開催されているOracleWorld Tokyo(主催:日本オラクル)にて12月18日、サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)代表取締役社長のダン・ミラー氏と、米Sun Microsystems(以下、Sun)N1, Availability and Management Vice Presidentのディビット・ネルソン ガル氏が「Sunのイノベーションが実現するグリッド・コンピューティング」と題した講演を行った。
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サン・マイクロシステムズ代表取締役社長 ダン・ミラー氏
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まず登場したミラー氏は米Sunの経営状況について語った。ミラー氏は「アナリストなどのレポートからSunは窮地に追い込まれているという印象を持っている方も多いかもしれないが、我々は50億ドル以上のキャッシュを保有し、これからもイノベーションを起こしていく力を持っている」と述べ、外部の情報に反して好調であることを強調した。「我々は売上の約15%にあたる20億ドル以上をR&Dに投資しており、この金額は2年にわたって増加している」(ミラー氏)
さらにミラー氏は「我々はN1をはじめとした新しいテクノロジーをビジネスソリューションに変えなければならない。そのためにはオラクルのようなテクノロジーパートナーやSIerのようなパートナーの協力が不可欠」とし、「すべて自社で行おうとするIBMとは違う」と名指しで他社を牽制した。
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ビデオレターで登場した米Sun Microsystems CEO スコット・マクニーリ氏
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また、講演には米Sun CEOのスコット・マクニーリ氏からのメッセージがビデオレターにて伝えられた。マクニーリ氏は17日にOracleWorld Tokyo会場でサンのブレードサーバー128台とOracle Database 10gによるグリッドコンピューティングシステムのデモンストレーションに成功したことに触れ、「OracleWorldという素晴らしい場で我々の取り組みの成果が実証できたことに非常に喜んでいる。これからも我々はイノベーションを起こし続けていくだろう」と語った。
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米Sun Microsystems N1, Availability and Management Vice President ディビット・ネルソン ガル氏
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続いて壇上に上がったネルソン ガル氏は、N1の特徴と開発状況について語った。サーバーやストレージ、データベースなどのITリソースを仮想化し、稼働率の向上と管理の簡素化を目的とするN1は、コンピュータやネットワークなどのインフラストラクチャプロビジョニングを第1フェーズ、アプリケーションの自動配備などのサービスプロビジョニングを第2フェーズ、ユーザーの業務に合わせたサービスレベルのオートメーションを第3フェーズと設定している。ネルソン ガル氏は、N1がもたらすメリットとして特に管理の複雑性からの解放を強調した。
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N1のロードマップ
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2003年のN1の成果
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N1 Service Provisioning Systemのイメージ
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N1は現在第2フェーズの開発が進んでいる。データベースやWebサービスなどに適用できるアプリケーションのプロビジョニング技術には8月に買収した米CenterRunの技術が使われており「SolarisやLinux、WindowsといったOSを超えてOracleやBEAなどのアプリケーションの自動管理ができ、設定や導入がより短期間で可能となる」(ネルソン ガル氏)。最後にネルソン ガル氏は、2004年上半期にも発売が予定されている「N1 Service Provisioning System」を使ったデモを行い、設定の容易さと開発が順調に進んでいることをアピールした。
■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
N1の情報ページ
http://jp.sun.com/n1/
( 朝夷 剛士 )
2003/12/18 20:41
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