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ITRとCIO Magazine、2004年度のIT投資動向調査の結果を公表


 株式会社アイ・ティ・アールと月刊CIO Magazineは1月7日、国内企業を対象に2003年10月に実施した国内IT投資動向調査の結果を発表した。

 調査結果では、2004年度のIT予算の見通しを2003年度と比べた場合、横ばいとした企業が51.4%と過半数だった。26.1%が20%未満の増加、8.9%が20%以上増加を予想した一方、11.0%が20%未満の減少、2.7%が20%以上の減少を予想している。

 IT予算の2003年度実績では、前年比で横ばいだった企業が44.8%、20%以上増加が10.1%、20%未満の増加が23.9%で、20%未満の減少が17.7%、20%以上減少が3.4%だったことから、若干の増加を予想をしている企業が多いが、「下げ止まり」ともいえる前年比横ばいを予想する企業も若干増加していることがわかる。

 IT予算の増減傾向を指数化した「投資指数」を見ると、2001年度「3.6」、2002年度「2.5」、2003 年度は「1.9」と年々下降していたが、2004年度の見通しでは「2.7」と持ち直している。

 両社では過去2年間同様の調査を行っているが、予想指数が上昇したのは初めてとのこと。いままでの調査結果では予想通りに翌年の実績が推移していることから、企業のIT投資意欲は2003年度に底を打ち、2004年度には一定の回復を見せると予想されている。

 投資を製品・サービス分野別に見ると、52.8%の企業が「ネットワーク・セキュリティ」に対する投資増額を予定している。これは前年比10.6%増で関心の高さをうかがわせる結果となった。次いでウイルス対策が45.5%(前年比0.3ポイント減)で、業者依頼による独自開発が40.2%(同5.9ポイント増)、パッケージ購入が34.4%(同9.6ポイント増)、小型サーバーが33.8%(同1.1ポイント増)と続いている。また6位のアプリケーション連携は、2年連続前年比10ポイント増となっており、Webサービス、運用管理ツール、アウトソーシングと並んで伸びが大きな分野といえる。

 Webサービスについては、重要度指数でも3.0と、アウトソーシングの2.9を上回って最も重視される分野となっている。同社によると2003年度の実施率は22%だったが、2006年度までに倍以上の53%に達するとしている。

 なお今回のアンケートは、企業の情報システム系、経営企画系部門の部長以上の役職者5,000人を対象に記入式のアンケート用紙を送付する方法で行われた。有効回答数は528社。



URL
  株式会社アイ・ティ・アール
  http://www.itr.co.jp/
  国内IT投資動向調査報告書2004
  http://www.itr.co.jp/inv_trend04.html


( 岩崎 宰守 )
2004/01/08 10:44

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