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CA、マネジメントソフトの普及に注力した事業戦略を発表


 コンピュータ・アソシエイツ株式会社(以下、CA)は1月7日、報道向け説明会を開催し、「マネジメントソフトウェア普及の年へ」をビジョンとする2004年の事業戦略を発表した。


サポート強化を中心とした体制作り

代表取締役社長 三ッ森 隆司氏
 代表取締役社長の三ッ森 隆司氏は2003年を「IT投資が抑制される厳しい状況の中、堅調にビジネスを拡大できた」と振り返り、「2004年中にはCAのワールドワイドの売上のうち日本が10%を占めることも可能」と自信を示した。

 そこで2004年は、「セキュリティマネジメント、ストレージマネジメント、サービスマネジメントの3つの分野に注力し、それぞれのマネジメントソフトウェアの新製品を順次投入する」と今年発売予定の製品群を発表し、さらに「1)これまでブランドごとにバラバラだった日本向けローカライゼーション部隊をまとめて組織化する、2)インテグレーションラボの設置、およびエンジニアを中心に20%の人員増強を行う」と述べ、サポート体制を強化することを明らかにした。


セキュリティは個人情報保護法施行をひかえた3A市場に重点

営業・マーケティング統括本部 統括本部長 藤岡 健氏
 同社はマネージメントソフトウェアを「ビジネスに利用するITのマネージを統合して効果的に行えるソフトウェア」と位置づけている。現在の日本の市場規模は約3億5,000万ドルで米国の10分の1、全IT投資における投資比率においては米国の0.9%に対して0.32%と比較的低水準だ。営業・マーケティング統括本部 統括本部長の藤岡 健氏はこの理由について「1)システムマネジメントへの認識不足、2)ウイルス対策など部分的な対応は行われているものの全体的な対応が遅れている、3)システム運用にかかる人件費の割合が比較的多い、の3点が挙げられる」と説明し、「今後、市場規模の拡大が見込める分野だ」とコメントした。


今後のセキュリティ市場の予測
 続いて藤岡氏は2004年に注力する3つの分野について説明した。セキュリティマネジメント分野について同社は、情報を扱うユーザーの特定やアクセス権限、ルールを管理する3A市場に特に注力するとしている。「2005年4月の個人情報保護法施行に向け各社は今年から来年にかけて対策を行うため、3A市場は大きな拡大が見込まれる」(藤岡氏)。そこで同社はアイデンティティ&アクセス管理ソフトの「eTrust Access Control 日本語対応 リリース5.3」を2月に発売を予定している。

 また、分散しているセキュリティ製品の統合管理が可能なセキュリティ管理分野の新製品として、セキュリティ監査の「eTrust Audit 1.5」、CAのほかサードパーティ製品のセキュリティ情報を統合管理できる「eTrust Security Command Center」をそれぞれ第2四半期に、ITセキュリティのほかビルの入退室などの物理セキュリティも含んだ統合管理をおこなう「eTrust 20/20」を第3四半期に発売を予定している。

 このほか、企業向けのアンチウイルスソフトの最新バージョン「eTrust Antivirus 7.1」を第2四半期に、パッチマネジメントソフト「eTrust Vulnerability Manager」第3四半期にそれぞれ発売する予定だ。


バックアップから異種混在環境の管理までサポート

ストレージマネジメント「BrightStor」シリーズの体系
 2つ目のストレージマネジメントは2003年に同社が最も伸びた分野で、藤岡氏は「市場成長率が4.7%だったのに対して23.3%も伸びた」とコメントした。製品としては、バックアップマネジメントソフト「BrightStor ARCserve for Windows」の最新バージョンをはじめ各OS対応版、ストレージリソースをマネージする「BrightStor Storage Resource Management」の最新バージョン、ストレージ・マネジメントの自動化をサポートする「BrightStor Process Automation Manager」、異種混在エンタープライズストレージインフラストラクチャの管理を簡易化・集中化する最新バージョンの「BrightStor Portal」の順次製品化を予定している。


ITILをベースとするITSM-BASEソリューション提供を開始

ITILが定義する3つの要素
 最後のサービスマネジメント分野について藤岡氏は「2003年12月に発表した、ストレージやセキュリティ製品を含めたITIL(IT Infrastructure Library)をベースとする“ITSM-BASEソリューション”の提供を開始し、ITサービスマネジメント分野に本格参入する」と述べた。

 ITSM-BASEソリューションは、ITILが定義する3つの要素(技術、人、プロセス)を並行実装できるサービスマネジメントソリューションで、1)サービスマネジメントのサービスサポート領域を構成する製品群(Unicenter ServicePlus ServiceDesk、Unicenter Asset Management、Unicenter Software Delivery、iCan View )をインテグレーションした製品「ITSM-BASE」、2)ITSMを実践する技術者を養成する人材育成プログラム「ITIL実践コース」、3)ITILのアセスメントと運用ガイドのコンサルテーションサービスをパッケージ化したもの。


 このほか藤岡氏はインフォメーションマネジメント分野の製品群として、J2EEおよび.NET環境のアプリケーション開発およびアプリケーションのマネジメントソフトの開発も表明した。

 最後に藤岡氏は「CAではユーザーのIT環境の変化により今後オンデマンドコンピューティング環境に移行した際にもマネジメントを行えるソフトウェアを提供していく」と述べた。



URL
  コンピュータ・アソシエイツ株式会社
  http://www.caj.co.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2004/01/08 10:45

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