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日本HP、「ニーズに柔軟に対応する」IAサーバー販売戦略を発表


エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長 上原 宏氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は1月8日、IAサーバー「HP ProLiant」の販売戦略を発表した。同社のエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長、上原 宏氏によって明らかにされた戦略のタイトルは「価値競争、をしよう」というもの。

 日本HPでは2003年の1月8日に「ProLiant二極化戦略」として、高付加価値ビジネスの「バリュー・ビジネス領域」と、低価格の訴求などでブランド認知の向上を目指す「ボリューム・ビジネス領域」それぞれのビジネス領域に分けて施策を展開すことが発表されている。今回の戦略は、ProLiantをボリューム・ビジネス領域の中核製品として位置付ける上での施策になる。

 今回の戦略での柱は大きく4つある。1つ目は、「フレキシブル・プライシング」。日本HPは2002年にコンパックとの合併を行っているが、この合併によるマスメリットなどの効果や、「社内でオペレーションが重複していた部分のカット」で削減されたコストを、顧客に還元できるようにしていくという。昨年も数度にわたって価格を見直してきたが、2004年も1月8日に55製品で、最大20%の価格改定を実施。「値下げを行ったということが報道されなかったとしても、当社ではお客様に“常にコストを還元”していることを、理解して頂けるようにしたい」(上原氏)。

 2つ目は、「ファクトリー・インテグレーション・デリバリ・モデル推進」。日本HPの製造拠点(昭島事業所)におけるCTOやラッキングのサービスなどを通じ、顧客に新たな付加価値を提供していく。もちろん「まず顧客に門戸を開くための」価格というファクターは、非常に重要であるが、「価格競争ではなく価値競争」(同氏)という今回の戦略を実行する上では、価格以外にも、日本HPが持つこうした付加価値を強調していきたい考えだ。

 3つ目は、1Wayから64Way、IA32からIA64までを揃えた「IAサーバ製品のラインアップ強化」。これによって、スケールアップ/スケールアウト双方に対応する「業界最高水準」の製品ラインアップを揃える。また、1Way・2Wayの製品の中でも、高い管理性能などの高付加価値を求めるユーザーと、導入コストを抑えたシンプルで高性能な製品を求めるユーザーが存在することから、1月8日に発表されたDL100シリーズなど、市場のニーズにあわせた製品を投入。この異なる2つの要求に対応する。

 4つ目は「CTOモデルの強化」。優れた価格性能比を持ち、ユーザーのニーズにあわせることのできるCTOモデルを投入する。また、Webストア「HP Directplusオンラインストア」、販売代理店である「HP Directpartner」を活用し、ユーザーが希望する流通経路で製品が手に入るようにしていくという。

 現在、IAサーバー市場では、投資効果の早急な回収に対する要望が強く、またSMB市場やエンタープライズシステムへのIAサーバー導入の拡大と、それによるニーズの変化、などの変化がおこっている。同社では、今回の戦略でこうした市場環境の変化に対して柔軟に対応し、マーケットシェア争いで優位に立つ、としている。


代表取締役社長兼COO 樋口 泰行氏
 なお、発表の場に同席した同社の代表取締役社長兼COO、樋口 泰行氏は、「昨今は海外の製品をそのまま日本に持って来るだけでは売れなくなっているし、ハードをただ語るだけでも同じ。お客様(のニーズ)に軸足を置くことを徹底し、製品、サービスを提供していく」と語った。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/

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( 石井 一志 )
2004/01/09 12:38

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