Enterprise Watch
最新ニュース

アップル、教育分野を重点ターゲットに

教育分野向けの特別価格などを用意

アップルコンピュータ株式会社 代表取締役社長 原田永幸氏

eMac(写真はアップルストア銀座に置かれているコンシューマ市場向けeMac)
 アップルコンピュータ株式会社は、今年度の重点課題のひとつとして教育市場向けの戦略を強化する。同社・原田永幸社長が本誌の取材に対して明らかにした。

 具体的には、教育市場向け専用のeMacを、より戦略的な価格設定とすることで、教育機関への導入促進を図るほか、パートナーを通じた教育分野へのアプローチおよび直販部門による販売攻勢を強化する。特にターゲットとするのは国公立大学および私立大学で、米国における教育機関への高い導入実績を背景に、直販部門が提案活動を行う。eMacで教育機関向けの戦略的価格を設定。現行の一般流通向けのeMacに比べて1割程度安い価格設定する予定だという。

 また、パートナーを通じた流通ルートでは、大塚商会やキヤノン販売など、教育分野に強い実績を持つパートナーとの協業によって、直販では対応できない分野にも積極的にアプローチする考え。これらルートでは、パートナーが独自に用意した教育分野向けのアプリケーションやサービスを付加して販売する例も多くなりそうだ。

 eMacは教育分野向けの専用製品として開発されたもので、17インチのCRTディスプレイを搭載するなど、大画面化とともに低価格性を実現しているのが特徴。教育機関以外にも、一部機種に限定して一般流通を通じた販売も行われている。主力となる大学などのほか、マックの操作性の高さを生かして、幼稚園、小学校などにも導入実績を誇っている。

 一方、昨年12月には、ゼンド・オープンソースシステムズと大塚商会が、MacOS Xとオープンソースを相互に活用し、教育機関における利用拡大を図るための共同プログラム「Macオープンソース・アダプション」プログラムを開始。PHP開発環境ツール「Zend Studio 3.0日本語版」のMacOS対応版を出荷し、国立大学や専門学校を中心とした教育機関への開発キットの特別価格で提供するなどの動きも出ている。

 さらに、東京大学情報基盤センターでは、1149台のiMacと79台のMacServerを一括導入するといった教育機関における大型案件も獲得しており、これも教育分野におけるマック導入を後押しする格好となっている。

 こうした製品、サービス、パートナー戦略といったあらゆる側面から教育分野向けの体制を強化し、今年度の売り上げ拡大のための柱へとつなげたい考えだ。



URL
  アップルコンピュータ株式会社
  http://www.apple.co.jp/
  eMac
  http://www.apple.co.jp/emac/


( 大河原 克行 )
2004/01/23 14:05

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.