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米Symantec Corporationの社長兼COO ジョン・シュワルツ氏
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米Symantec Corporationの社長兼COOのジョン・シュワルツ氏は1月27日、記者懇談会を開催、同社のワールドワイド戦略などについて説明した。
シュワルツ氏はまず、2003年の業績に触れ、「非常に好調だ。売上は、おそらく18億ドルから18億5000万ドルの間になるのではないか」と説明した。先日発表された第3四半期決算で、前年同期比31%増の売上を記録し、業績見通しを上方修正したばかり。好調な業績の要因として同氏は、セキュリティ市場そのものが、IT不況の影響を受けることなく成長していることを挙げ、「セキュリティ市場は年平均成長率で19%と大きく伸びている。2007年には、220~230億ドル規模の市場になる」との予測を発表した。
インターネットセキュリティの課題についてシュワルツ氏は、「2002年の感染件数は全世界で8億台に上る。また、ネットワークへの侵入件数も8万件となっている。2003年の数値はまだ出ていないが、これを上回るものとおもわれる」とし、セキュリティ対策が個人・企業ともに大きな問題である点を指摘した。「過去の脅威を見ると、フロッピーディスクなど人を介して感染するウイルスから、メールを介して感染するウイルスに発展。そして、現在はWebサイトへのアクセスや共有フォルダなどを介する複合型の脅威が非常に大きくなっている。また、感染速度も非常に速くなっている。これまでのクライアント単位のアンチウイルスだけでなく、ネットワーク全体のセキュリティが必要」と、複合型の脅威についてあらためて強調した。
こうした現状を踏まえ、同社の基本戦略を紹介した。「企業を守るためのセキュリティプロセスとして、Alert、Protect、Respond、Manageの4つのプロセスがあると考えている。そして、Symantecはこれらに対応する製品を提供している。Alert(警告)に関しては、全世界でリアルタイムにチェックしており、その分析結果を提供している。昨年のBlasterも発生前から事前に動きをキャッチできていた。Protect(保護)に関しては、ゲートウェイ、サーバー、クライアントなどさまざまなレイヤで対処している。Respond(対応)に関しては、24時間体制のラボで監視し、アップデートが必要な場合、即対応できるようにしている。Manage(管理)に関しては、企業内の管理者の負担にならないよう、容易にイベント管理ができる仕組みなどを提供している」と、セキュリティベンダー最大手としての強みをあらためて強調した。
シュワルツ氏は日本市場について、「ブロードバンドや携帯デバイスなど、非常に技術が進化している国だ。しかし、セキュリティに関する投資を見ると、他の国と比べて10分の1程度しか費用がかけられていない。セキュリティに関する意識が低いのではないだろうか」とし、日本市場での同社の売上拡大を目指す姿勢をうかがわせた。
■ URL
米Symantec Corporation
http://www.symantec.com/
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
( 福浦 一広 )
2004/01/27 19:08
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