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セイコーエプソン、第3四半期はプリンタの価格低下で増収減益に


木村登志男副社長
 セイコーエプソンは1月29日、2003年10月-12月期の連結決算を発表した。

 売上高は、前年同期比4.8%増の3980億6900万円、営業利益は3.3%減の318億9800万円、経常利益は0.1%減の314億4900万円、当期純利益は821.2%増の171億6800万円となった。

 「情報関連機器事業は、価格低下の影響を受けたことで減収となったが、携帯電話向け液晶ディスプレイなどが好調な電子デバイス事業で増収となった」(木村登志男副社長)と説明している。

 セグメント別では、プリンタ、パソコンなどを含む情報関連機器事業は売上高は2.2%減の2648億円、営業利益は57.6%減の144億4900万円、液晶ディスプレイなどを含む電子デバイス事業が22.4%増の1185億2000万円、営業利益は前年のマイナスから一転して187億1300万円、時計などを含む精密機器事業が9.6%増の226億9100万円、営業利益が156.0%増の15億9500万円、その他の事業が29.3%増の78億9400万円、営業利益はマイナス27億5700万円となった。

 情報関連機器事業は、インクジェットプリンタはマルチファンクションプリンタの販売台数増加といった明るい要因はあったものの、シングルファンクションプリンタ本体の数量減や価格低下により若干の増収にとどまった。ただし、スキャナについては、スキャナ機能を搭載したマルチファンクションプリンタの販売台数が増加したことから、減収となっている。利益については、インクジェットプリンタの価格低下と販売費の増加の影響で大幅な減益となった。

 システムデバイスとパソコン事業については、北米でシステムデバイスの新規用途提案商品が好調で、さらに顧客へのダイレクトアプローチ活動による価格維持施策が成功したことから、システムデバイスとパソコン事業は増収となった。

 好調な結果となった電子デバイスは、MD-TFD液晶ディスプレイおよびカラーSTN液晶ディスプレイが、海外での携帯電話のカラー化が進展、国内の携帯電話の新機種の販売数量増加にあわせ大幅な増収を実現。モノクロSTN液晶ディスプレイは大幅な減収となったものの、カラーディスプレイの伸びがそれを補い、全体では増収となった。

 半導体についても、海外携帯電話のカラー化により、平均単価の高いカラーLCDドライバの数量が増加したうえ、カメラ付き携帯のように携帯電話の高機能化にあわせて画像処理用半導体の数量も増加し、増収となった。



URL
  セイコーエプソン株式会社
  http://www.epson.co.jp/


( 三浦 優子 )
2004/01/30 00:15

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