RWDテクノロジーズジャパン株式会社とSAPジャパン株式会社は2月4日、SAP導入企業でオペレート業務を行うユーザー向けの教育・サポート事業を共同で展開するための協業強化を発表した。SAPジャパンではこれまで、SAP導入で必要となる製品知識を企業情報システム部門やSI向けにトレーニングしてきたが、今回実際にオペレートを行うエンドユーザーへの教育サポート事業に進出する。
RWDテクノロジーズジャパンは、2002年3月にSAP関連会社「SAPラーニングソリューションズジャパン株式会社」として設立された。2003年12月に、米国でSAPのエンドユーザー向けサポート事業を行う米RWD Technologies, Inc.の100%出資子会社となり、国内のSAPエンドユーザーサポートに特化した事業を展開している。
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SAPジャパン株式会社 副社長 細谷 哲史氏
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RWDテクノロジーズジャパン株式会社 代表取締役社長 吹田 順一郎氏
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右上に見える小さなウィンドウがRWD Info Pakの画面。VBマクロのように記録することで、左側のSAPの動作が右側のWordドキュメントに反映される
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今回の協業でSAPジャパンは、RWDテクノロジーズジャパンをエデュケーションパートナーに認定する。これにより両社では、SAP新規導入やアップグレードを行う企業に向けて個別に行っていたコンサルティングに、エンドユーザーサポートまでを含めた一貫したソリューションの提供を行い、初年度3億円、3年以内で10億円以上の売上げを目指す。また5年後には、SAP教育ビジネスで30%を占める事業に育てる。
SAPジャパン株式会社で主にサービス業務を担当する副社長の細谷 哲史氏は、「ホストなどの既存システムからSAPに移行する際のトラブル原因として、膨大な業務データの移管と、業務プロセスや操作の変更の2つが大きなものとなっている。SIの技術者が4割を占めるなど、コンサルティングや導入プロジェクト担当を対象にしていたこれまでのトレーニングについては相当部分まで達成されている。RWDテクノロジーズジャパンの提供するサポートやトレーニングは、顧客別にカスタマイズされたシステムで、実際の業務での操作を学べるもの。いままでは導入パートナー頼みで、品質にもばらつきのあったエンドユーザーへの教育とサポートのサービスを自ら手がけ、導入後の問題を解消していきたい」と述べた。
また「初期導入時からエンドユーザーサポートまでを含めた提案を行うことで、問題なくシステムが稼動するまでの期間を短縮するほか、総予算を広げずに導入できるメリットもある」とした。
RWDテクノロジーズジャパン株式会社 代表取締役社長の吹田 順一郎氏は、「導入の初期段階から関わることで、トレーニングやそれに必要なコンテンツを分析し、顧客のカスタマイズ画面が確定してすぐマニュアル作成が行える」とした。同社のSAPマニュアル作成ツール「RWD Info Pak for ASIA」は、SAP GUIとMicrosoft Wordを連携して半自動的にマニュアル作成を行えるツール。実際の業務フローに沿って操作していくことで、自動的に画面やアイコンのキャプチャや操作説明での定型分挿入が行えるもの。「作業時間を1/5に短縮する」(吹田氏)という。複数人での作業でのマニュアルの品質を均一化できるメリットもある。作成ドキュメントはhtmlで保存できるほか、ルールに沿った階層化も可能だ。またSAP GUIのヘルプメニューから、実際に操作している当該個所のマニュアルをWeb表示できる機能も備えている。このほか日本語に加え、英語、中国語、韓国語にも対応し、「海外展開する場合でも同じマニュアルを利用できる」とのことだ。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.co.jp/
RWDテクノロジーズジャパン株式会社
http://www.rwd.com/japan/
プレスリリース
http://www.sap.co.jp/company/press/press.asp?pressID=2658
( 岩崎 宰守 )
2004/02/04 18:54
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