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代表執行役 執行役社長の庄山悦彦氏(右)と代表執行役 執行役副社長の八木良樹氏
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株式会社日立製作所は2月4日、2003年度第3四半期連結決算を発表した。これによると、売上高は前年同期比7%増の2兆469億円、営業利益は391%増の632億円、税引前利益は455億円増加の461億円、当期純利益は前年同期の22億円の赤字から25億円の黒字へと転換した。
ただし、営業利益の大幅な増加は厚生年金基金の代行返上の影響もあり、実質的な営業効果は230億円程度のプラスだとしている。電子デバイス部門、デジタルメディア・民生機器部門などの損益改善が影響した。
部門別には、情報通信システム部門が、ソフト/サービスがアウトソーシング事業を中心に堅調に推移。米IBMから買収したハードディスクドライブ事業の貢献、第3世代携帯電話基地局の需要が堅調だったことが影響し、売上高では前年同期比26%増の5145億円。営業利益は640%増の134億円となった。ハードディスク事業のプラス分を除いたとしても、前年同期比1%増になったという。
また、電子デバイス部門は、携帯電話向けのTFT液晶や大型ディスプレイ向けのTFT液晶の需要が大きく伸びたことから営業利益では、前年同期の60億円の赤字から118億円の黒字に転換。だが、半導体事業を三菱電機との合弁会社であるルネサステクノロジに移管したことにより、売上高は前年同期比12%減の3348億円となった。
デジタルメディア・民生機器部門は、白物家電の国内需要の低迷、暖冬での季節商品の不振となったものの、同社が得意するプラズマテレビのほか、光ストレージ、携帯電話が伸張したことで、売上高は前年同期比7%増の3283億円となったほか、営業利益も313%増の113億円となった。
電力・産業システムは、日立建機が海外市場向けを中心に伸張したものの、国内の電力設備需要が低調であったことから売上高は前年同期比3%減の4820億円。営業利益は前年同期比68%減の30億円となった。
なお、同社では、2004年3月期の連結決算の見通しを、売上高で前年比2%増の8兆3500億円、営業利益が11%増の1700億円、税引前利益が132%増の2250億円、当期純利益が64%減の100億円としており、これは10月時点の予測から変更はない。
「米国経済が好調を持続する見通しであることや、アジア経済の回復が見込まれるが、為替相場の変動による企業収益への影響や、昨年のSARSのような影響も懸念され、不透明であることから修正は行わない」(日立製作所・八木良樹代表執行役・執行役副社長)とした。
なお、同社では、中期経営計画を売上高で1兆円の上乗せなどを含む上方修正を発表している。
■ URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
( 大河原 克行 )
2004/02/04 20:29
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