2月4日から6日まで、「NET&COM 2004」(主催:日経BP社)が千葉市の幕張メッセで開催されている。5日には、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長の田中 正利氏による「新しいネットワーク時代を支えるシトリックスのMetaFrame for Access On Demand」と題した特別講演が行われた。
■ アプリケーションの統合管理を行う「MetaFrame XP」
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代表取締役社長 田中 正利氏
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同社の主力製品「MetaFrame XP」は、WordやExcelなどクライアントPCごとにインストールするアプリケーションをすべてサーバーにインストールし、クライアントはWebブラウザ上から操作を行うことができる「サーバーベースコンピューティング(SBC)」を行うソフトウェア。
MetaFrame XPを導入することにより管理者はアプリケーションの集中管理が可能となるため、インストールやバージョンアップなど各PCへのメンテナンスにかかる負担を削減することができる。なお、1台のサーバーで同時に利用できるクライアント数は「20から40くらい」だという。
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MetaFrame XPの動作イメージ
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クライアント側はアプリケーション管理の必要がなくなる。また、アプリケーションの動作はすべてサーバー側で行われるため、クライアントPCはスペックが低くてもWebブラウザを起動できれば、新しいアプリケーションでもスペックの高いPCと同等の速度で動作させることができ、非力なPCや異なるOSでも利用することが可能だ。同氏は「私は出張時にPCを持ち運ばずハンドヘルドPCからPCアプリケーションを操作している」と、使用例を示した。
また、サーバーとクライアント間の通信はキーボードやマウスの入力と画面の変化など少量の情報のみがやりとりされるため、モバイル環境など比較的狭いネットワーク帯域でも利用が可能だ。同氏は「以前、ブロードバンドが普及していないISDN環境でアメリカのサーバー内にあるExcelをストレスなく動かせることができたとき、これはITの仕組みを根本から変えてしまう可能性があると感じた」と自らの体験から優位性を強調した。
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SBCのセキュリティイメージ
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MetaFrame XPの導入はセキュリティ対策にもつながるという。アプリケーションで作成した書類へのアクセスや出力をユーザーやグループごとに管理する機能が備わっており、機密情報の漏えいを未然に防ぐことができる。また、MetaFrame XPによる通信はCitrix Secure Gatewayを利用することにより暗号化することができ、証明書を使った認証機能にも対応しているため不正アクセスの心配もないという。
同氏は「少子化による若いシステム管理者の減少や、モバイル先進国という特徴から日本は特にSBCに適した国」との認識を示した。
■ 今後はアクセスの統合化へ
同社は今後アプリケーションやセキュリティ方式によって異なるサーバーとクライアント間のアクセス方法を統合化し、あらゆる場所・デバイスからより効率的でセキュアなアクセスインフラストラクチャを構築するソリューションを提供し、より広い範囲での統合管理を実現するという。同氏は「例えば自治体や学校など類似した業務を行うシステムを1カ所で統合管理することにより、ユーザーはシステムを意識せず自分の仕事に集中できる」とした。
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自治体へのSBC導入モデル
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教育機関へのSBC導入モデル
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Webアプリケーションとの併用イメージ
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最後に同氏はWebサービスの広がりやWindows Terminalサービスの高機能化によってMetaFrame XPが不要になるのではとの声があることに触れ「MetaFrame XPはWebサービスにも対応しており、従来のアプリケーションと統合管理ができるメリットがある。また、Windows以外のOSのサポートなどの機能を備えており、Windows Terminalサービスとは補完関係にある」と説明した。
■ URL
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
http://www.citrix.co.jp/
NET&COM 2004
http://expo.nikkeibp.co.jp/netcom/
( 朝夷 剛士 )
2004/02/06 00:00
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