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米Sunイェン氏、「スループットコンピューティングで爆発的データ増大に対応」

~Network Computing 2004 Spring 基調講演

Executive Vice President,Processor and Network Products、デイビッド・イェン氏
 サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は2月17日、「Network Computing 2004 Spring」を東京のホテルニューオータニで開催した。その中で米Sun Microsystems Inc.のExecutive Vice President,Processor and Network Products、デイビッド・イェン氏が「Sunの考えるイノベーションとは? “次世代システムとスループット・コンピューティング”」と題して基調講演を行った。

 イェン氏によれば、今後ネットワークに接続されるデバイスは大量になるという。10億台以上のPCや、ゲームマシン、インテリジェントデバイス、アプライアンスなどだけでなく、Java CardやICタグなども含め、1兆もの“デバイス”が見込まれているというのだ。もちろんこれらすべてがIPアドレスを持つわけではないが、プロキシを通じてどこかのネットワークにはつながってくる。

 すでにこれらはビジョンや夢としてだけ存在するのではなく、実際の世界にも登場してきている。「携帯電話やICタグなどがその代表的な存在だ。国防総省やウォルマートなどではICタグを利用しているし、スマートダストのようなものも考えなくてはならない段階になっている」(イェン氏)。

 「そして、こうしたさまざまなデバイスを考慮に入れた場合、当然ネットワークの在り方も変わってきてしまう。以前はデータセンターをコアとし、そこからいろいろなデバイスへ対応していった。クライアント/サーバー型のように、あくまでデータセンター側からだった」(イェン氏)。しかし、今では何億ものデバイスが展開されており、それにあわせて考えていく必要がある。「このためのテクノロジーはそろってきているので、CIOはどうやってこれらの膨大なデータ量に対応していくかということを心配するようになっている」。

 イェン氏は続けて「データの爆発的な増大に伴い、今後数年の間にネットワークの作業負荷が1000倍増大すると考えると、コモディティ化されたインテルの技術だけでは、スケールアウトしたとしても何千というPCを購入しなくてはならない。こういった挑戦は技術的なだけでなく、経済的にも無理。とすると、まったく新しい別のアプローチが必要だ」と述べ、異なったソリューションに対する要求があるとする。

 サンでは、これに応えるためにスループットコンピューティング製品をリリースしていく。これはスレッドを複数並列に処理するマルチスレッディング技術により、飛躍的にスループットを向上させる試み。現状でボトルネックになってきているメモリのレイテンシをなくすことで、コンピューティングの効率を15倍にも30倍にもできるというこれらの製品だが、今回発表されたUltraSPARC IVでは、まだスループットは2倍になったにすぎない。しかしイェン氏は「これは1つのマイルストーンだ。2倍で止まるということではない」とその意義を強調する。


 今後同社では、第2世代プロセッサのNiagaraでよりいっそうマルチスレッドの性能を充実させる一方、シングルスレッドの高い性能を要求する処理のためには、OpteronやXeonで対応する。しかしイェン氏は、最終的には第3世代のプロセッサですべての領域をカバーしたい、という意向を述べた。

 最後にイェン氏は「サンは経済が後退しているときでも投資に力をいれるなど、努力してきた。ネットワークコンピューティングがこれからどこに向かうかを知り尽くした上で、今後の展開を進めていきたい」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  サン・マイクロシステムズ株式会社
  http://jp.sun.com/
  NetworkComputing 2004 Spring
  http://jp.sun.com/nc2004/


( 石井 一志 )
2004/02/18 00:00

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