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米Sunシュワルツ氏、「Java開発者はコミュニティに参加してほしい」
Java Technology Conference 2004 基調講演
2月18日、19日に開催されている「Java Technology Conference 2004」(主催:サン・マイクロシステムズ)において、米Sun Microsystems、エグゼクティブバイスプレジデントのジョナサン・シュワルツ氏による基調講演が行われた。
米Sun Microsystems エグゼクティブバイスプレジデント ジョナサン・シュワルツ氏
シュワルツ氏によると、元々JavaはPCを対象に開発されたという。シュワルツ氏は「しかし現在はまったく違う。携帯電話やRFIDなどネットワークにつながるあらゆるデバイスにJavaが関わり、これからもイノベーションを起こし続ける」と述べJavaの将来性を強調した。
しかし、シュワルツ氏はJavaの将来性について懐疑的な声もあることを自ら明かした。「ウォールストリートではSunがJavaに力を入れている訳を理解してもらえず、事業の売却や中止を勧める声もある」という。しかしシュワルツ氏は「Sunには確固たるビジネスモデルがある」と断言し、これからもJavaの研究開発を継続することを誓った。
それでは、SunはJavaでどのようなビジネス展開を行うのだろうか。シュワルツ氏はまず携帯電話のJavaコンテンツを例に挙げ、「5年前では考えられなかったことだが、200種類以上の携帯電話にJavaが載っており、日本のNTTドコモやVodafoneをはじめ世界中でJavaコンテンツの配信が始まっている。コンシューマユーザーだけでもJava携帯電話に年間30億ドルを使っており、今後も増えていくという巨大な市場だ」とモバイル市場におけるJavaの将来性を語った。
PCにおけるJavaの搭載率とJavaクライアントのダウンロード数
さらにシュワルツ氏は、PCにおけるJavaの活用についても言及した。PCにおいてもJavaは広く活用されており、全体の6割でJavaが載り700万/月のクライアントプログラムがダウンロードされたという。シュワルツ氏は「今、PCはWindowsに支配されており、新たな選択肢を必要としている。そこでSunはJava Desktop Systemを発表した。ただしこれはマイクロソフトと違い、SolarisやLinux、Javaのコミュニティと一体となって開発したものだ」とWindowsとの違いを強調し「ぜひ皆さんもこれらのコミュニティに参加してほしい」と訴えた。
ここでシュワルツ氏は、Java Desktop Systemによる3D化されたデスクトップ「Project Looking Glass」や、火星探査機のシミュレーションプログラムを披露し、Windowsにはないユニークさをアピールした。なお、Java Desktop Systemの日本語正式版は4月にも発売される予定だ。
火星探査機のシミュレーション、すべてJavaで動作している。
3Dデスクトップのデモ、ウィンドウを画面端に持っていくと3D化する。
ウィンドウの裏側にメモを入れられるユニークな機能も。
最後にシュワルツ氏はエンタープライズ分野においてのJavaの取り組みについて、Java Enterprise Systemの特長を中心に語った。「各社のCIOは、アプリケーションなどサービスのシェアリングをできるだけ安価で提供できる手段を探している。Java Enterprise Systemは社員1人あたり年間100ドルで顧客の数に制限なくサービスを提供できる」(シュワルツ氏)。
シュワルツ氏は「デベロッパーがJavaコンテンツを作り上げることでJavaの価値が高まり、コンシューマからエンタープライズまでそれぞれの利益につながる。皆さんには深くお礼を言いたい。そしてこれからもコミュニティを盛り上げていってほしい」と集まった開発者らに敬意を表し講演を締めくくった。
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URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
Java Technology Conference 2004
http://www.jtc2004.com/
Java Developer Connection
http://sdc.sun.co.jp/java/
( 朝夷 剛士 )
2004/02/19 00:02
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