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米webMethodsメリックCEO「Webサービスはビジネスプロセスの変革を促す基盤となる」

~Integration World Japan 2004 エグゼクティブスピーチ

 ウェブメソッド株式会社は2月19日、「経営に活かすビジネスプロセス最適化の実現」をテーマにしたプライベートカンファレンス「Integration World Japan 2004」をグランドハイアット東京にて開催し、「ウェブメソッドの新戦略」のテーマで米webMethods, Inc. 会長兼CEO フィリップ・メリック氏が講演を行った。


米webMethods, Inc. 会長兼CEO フィリップ・メリック氏
 まずwebMethodsについて、「いまではもっとも重要なITインフラの要素のひとつとなっているWebサービスのインフラを業界で最初に提供し、企業インフラ統合によるビジネスプロセスの自動化と、事業経営の効率化を提供している」と紹介。また「ここ数年、北米でもっとも急成長を遂げたソフトベンダー」との調査を挙げながら「この分野については、他のどんな企業よりうまくやれると自負している」と述べた。

 そしてiPodを手にしながら「世界全地域のサプライチェーンを統合し、本社システムと連携させた」米Appleの事例について、「昨年のクリスマスシーズンには、iPodを75万台出荷と見ていた。サプライチェーンには圧力がかかるわけだが、この見通しに基づいてアップルは最高の四半期を迎えた」と述べ、「顧客の成功を目の当たりにし、IT投資に価値があったと思ってもらうことは、一番興奮する出来事」と語った。このほか、リアルタイムなフライト時間の変更などをサポートする全日空のフライトオペレーションシステムの事例や、豪華客船を運行するCarnival Corp.では、パートナーとのシステム連携や予約システム最適化により、130万ドルのコストと大幅な回答時間の削減を果たした事例などを挙げた。


システム統合基盤と前提にした同社の製品構成

Webサービスを基盤に、BPMとBAMの製品が企業の業務プロセスを変革する
 Webサービスについては、「ビジネスプロセスを大きく変える統合基盤として、技術開発を通じ、標準化にも貢献してきた」と述べた。同社が現在Webサービスの基盤として提供している「webMethods Integration Platform」はすでに6世代目にあたり、「さまざまな自動化のコンポーネントにより、情報への可視性を上げ、リアルタイムで全社の情報や、パートナーの情報も把握できる」ものとなっている。同氏は、「システムをリプレースする方が簡単で、レガシーなどのシステムを活かすと、複雑でコストがかかると思われているが、インフラコストの削減と、既存のIT資産を統合したビジネスの方法の変革の2つの課題をWebサービスの技術で解消する」とした。

 そして同氏は、Webサービスを機能させるにあたって、「サービスレベルを監視、分析するほか、新しいビジネスプロセスに対して、新規にアプリケーションを開発するのではなく既存のサービスの組み合わせで機能を提供する際のキーとなる基盤を提供する」ソフトウェアである「Fablic」、そしてビジネスプロセスの自動化にあたって、「各プロセスをモニタリングしてリアルタイムでの情報把握を可能にする」
製品である「BAM」の2つについて、「インフラを最大限に活用する上で重要」とした。そして「売上や利益に関係のある事柄は、いま、そのときに情報を知るべき」と述べ、「多くのデータウェアハウスからバッチ型で情報を収集するBIのような形では限界がある」とした。

 同氏は「ビジネスで重要なのはシステム間のテクノロジーでなく人」とした。同社では初のポータル製品のリリースも予定しており、「BPMの顔を持たせることができた」と述べた。これにより「Webサービスベースで、社内資産とビジネスプロセス、さらにこれを扱う人間をつなぐアプローチを提供できる」と語った。



URL
  ウェブメソッド株式会社
  http://www.webmethods.co.jp/
  Integration World Japan 2004
  http://www.webmethods.jp/IWJ2004/


( 岩崎 宰守 )
2004/02/19 17:15

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