ウェブメソッド株式会社は2月19日、「経営に活かすビジネスプロセス最適化の実現」をテーマにしたプライベートカンファレンス「Integration World Japan 2004」をグランドハイアット東京にて開催し、「企業の成長とビジネスプロセスを支えるエンタープライズサービス指向アーキテクチャ」のテーマで米webMethods, Inc. CTO グラハム・グラス氏が講演を行った。
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米webMethods, Inc. CTO グラハム・グラス氏
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同氏はWebサービスが成熟していなかった当時、カリフォルニア出張の際に「交通状態や天候情報をWebサイトから取得するプログラムコードを書いたことから、システム構築のやり方に抜本的変化をもたらすことに気づいた」経験を語った。
同氏は「“Webサービス”という名前がWebで展開されるサービスとの誤解を招く印象がある」とし、「サービスとして配布されるソフトウェアの機能を標準に基づいて広範囲で提供するもの」と改めて説明。LEGOを比喩に、「子どもの頃に人気のあったTV番組の『サンダーバード』に出てくる1、2、3号をみんなで作っていた。ジェットエンジン用のLEGOブロックを買えばどれでも作れたものだ。このようにすべての要素がブロックになっているものといえる」と述べ、「サービス指向アーキテクチャにより必要な要素をまとめ、やり取りされるXMLに対して変換などの介入処理をするもの。標準技術に基づいているため特定のプラットフォームや言語に依存しない。さらに通信に必要なプロトコルはすべて包含している」と語った。
そして今後の技術トレンドとしてWebサービスに加え、P2Pとグリッドを挙げた。P2Pは、「ファイルシェアリングは表面的なものでしかない。メッセージを1つのサーバーに置くだけで数千のPCで展開できる超分散型の堅牢なシステムを構築できる技術」と述べた。
グリッドについては、「エンドポイントの機能簡素化につながる、今後もっとも重要な技術」とした。そして「これらの技術が整備され、高度なサービス指向アーキテクチャが実現すれば、開発者はコードを公衆にアップロードし、P2Pで複数コピーがなされ、リクエストメッセージにより、生成、展開されるサービスをオンデマンドで提供するようなであり、電力と同様の安価なサービスが今後展開できるだろう」と述べた。
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Webサービスに信頼性と拡張性をもたらすwebMethods Fabric
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同社のWebサービス基盤の一部である「webMethods Fabric」は、P2Pの技術を取り入れて信頼性の高いサービスの提供が可能となっており、高度なサービス指向アーキテクチャが実現する第一歩となるもの。「標準のWebサービス技術であるUDDIレジストリは、サービス検索の機能しか持っていないが、FabricではWebサービスを監視し、自動発見や管理の機能を備えたWebサービスインフラを提供する」とした。また「Webサービスの故障を検知して同等サービスに接続するフェイルオーバーの機能により、システムダウンを防ぐこともできる」と述べた。また「XMLでの通信内容も監視するため、確実なメッセージのやり取りが可能で、特定メッセージに関しては変換も行える。さらにセキュリティの機能も実装している」という。「.NETにも今年後半のバージョンで対応するため、相互J2EEと.NETを統合して運用性を高めることができるだろう」と語った。
■ URL
ウェブメソッド株式会社
http://www.webmethods.co.jp/
Integration World Japan 2004
http://www.webmethods.jp/IWJ2004/
webMethods Fabric
http://www.webmethods.com/jp/dev/fabric.html
( 岩崎 宰守 )
2004/02/20 00:00
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