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米パケッティアCazares氏、「WAN最適化でクリティカルアプリケーションの下支えを」


 パケッティア株式会社は3月3日、プレス向けカンファレンスを行い、同社の主力商品であるQoSアプライアンス「PacketShaper」に関する製品説明と、同社の販売戦略の解説などを行った。


クリティカルなアプリケーションを止めないために

米PacketeerのVice President,Worldwide Sales、Arturo Cazares氏
 米PacketeerのVice President,Worldwide Sales、Arturo Cazares氏によれば、「以前は、WANで動いているアプリケーションは高度なものではなかった。しかし今ではSAPやOracleといったものが登場し、ネットワークアプリケーションなしには日常のビジネスをこなしていけないほど、依存が強くなってきている」という。またこうしたアプリケーションは多くの帯域幅を必要とし、送受信される情報は遅延を許すことができないものになってきているのが通常。しかも企業としては、ネットワークアプリケーションをより高性能にしたいというニーズを持っている、ともいう。

 こうした今の企業が抱えている問題は、単に帯域を追加するだけ、という方法では解決できない。「帯域が足りなくなったときに回線をその都度増速していくと、コストが高くついてしまう」(Cazares氏)のももちろんだが、それだけではない。増速前に帯域を専有して回線を圧迫していたもの(例えばP2Pアプリケーション)が、高速な回線になったとしても相変わらず帯域の大部分を占めてしまい、事態が改善されないということは十分に起こりうる。根本的な解決のためには、「ネットワークのインフラが、企業にとって重要なアプリケーションの下支えをしていけるような調整をせねばならない」(同氏)のだ。


WANを最適化する、パケッティアのソリューション

“WANを最適化”する3段階
 そこでパケッティアでは、「WANを最適化」するための製品を提供している。基本となるのは、独自のリアルタイムOSを採用したQoSアプライアンスのPacketShaper。この製品ではトラフィックを分析し、管理・制御する機能を持っているが、オプションのPacketShaper Xpressを追加することで、トラフィックの圧縮にも対応できる。

 こうした機能を持つPacketShaperで最終的にどの機能までを利用するにせよ、最初のステップとして行わなくてはいけないのが、トラフィックの分析だ。どういったアプリケーションが、どのくらいの帯域を使って、どのくらいのレスポンスで通信しているか、ということを同製品は見せてくれる。「これは非常に重要なステップだ。ここで出てきた結果を見ると、大半のお客様は驚く」とCazares氏が述べたように、ほとんどの企業は自社の実情を把握していないという。

 そしてその次のステップでは、ここで分析された情報をもとに、トラフィックの制御を行う。PacketShaperでは、アプリケーションごとのトラフィックに優先順位をつけるだけでなく、「どんな時でも10Mbpsを越えない」という最大帯域幅の割り当て、「最低2Mbpsを確保する」という帯域の最低保障、またこれらを組み合わせた「優先度は最高だが5Mbpsを超えない」などの設定が可能で、きめ細かい帯域制御を提供する。加えて、業務で必要のない通信のブロックも行うことができる。

 そしてさらに必要であれば、最後のステップとしてPacketShaper Xpressによるトラフィックの圧縮とアクセラレーションを実施する。もちろんすでに圧縮されている通信には効果がないが、まだ小さくなる余地があるものを圧縮して、帯域を有効活用するのがこの段階だ。


“圧縮”機能はグローバル企業へ売り込む

パケッティアの代表取締役社長、金城 盛弘氏
 最終段階にあたるPacketShaper Xpressだが、日本国内で販売が開始されたのは2003年の11月で、2003年の上半期より発売されていた米国と比べると展開が遅れている。この背景には、日本国内ではIP-VPNや広域イーサなどの高速な回線が安価に手に入るため、需要がないのではないかと懸念されたことがあるという。しかしリサーチの結果、使える帯域幅に制限がある海外との通信で効果が見込めるとして投入に踏み切った。

 中国などの海外へ展開する企業が増えている現在では、パケッティアの代表取締役社長、金城 盛弘氏が「今ではお客様のビジネスの半分以上がインターナショナルのビジネスになっている。国内のネットワークだけを管理しても、全体を管理するということにはならない」と述べたように、海外拠点との通信に対するニーズは高い。海外に製品を展開する場合は、故障時の対応をどうするかなどさまざまな問題をクリアしなくてはならないが、同社ではこうしたハードルをクリアし、製品の販売拡大につなげたい意向だ。



URL
  パケッティア株式会社
  http://www.packeteer.co.jp/


( 石井 一志 )
2004/03/03 19:19

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