日本シーベル株式会社は3月4日、マイクロソフト株式会社と共同で、Siebel顧客企業を対象にした「Siebel Japan User Group Meeting 2004」を開催。Siebel Systems, Inc. CRM製品事業部統括 バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー ジェフリー・シール氏が基調講演を行った。
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米Siebel Systems, Inc. CRM製品事業部統括 バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー ジェフリー・シール氏
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同氏は最近の経済動向として「直販から間接販売へチャネルが変化している」とし、この結果、「経費が削減されるコスト効果により、利益が増えている」とした。また「専門知識を必要とする企業の中核となる事業以外での人件費が低減するメリットがある」オフショアやアウトソーシングが広がっている。このほか「中国をはじめとしたアジアが新興市場として企業の成長にとって重要となりつつある」とした。
一方こうした状況下では「ビジネスプロセスは分散化、複雑化しているため、顧客対応レベルが低下しかねない」とした。同社ではCRMサービスを分散拠点にホスティングやASPで提供、大規模拠点や本社での自社内導入型サービスと組み合わせる「CRM for Everyone」により、「こうした環境に対応できる」としている。
CRM for Everyoneでは、例えば営業では容易なWebベースのインターフェイスで顧客情報を取得できる一方、マーケティングではターゲットとなる顧客を絞りこむための情報を得ることができるなど、企業内の部署ごとに必要な情報へアクセスすることも可能となる。またライセンスについても、小規模、月単位などでの導入が行える柔軟な構成となっているという。
同社では、CRM for EveryoneのコアとなるCRM製品の新バージョン「Siebel 7.7」を今春に出荷する予定となっている。Siebel 7.7では、複雑なプロセスや価格設定、契約管理を時間経過でモニタリングする金融サービス業界の支店業務向けの顧客リレーションシップコンソールや、顧客ロイヤルティー管理といった業種別の機能を新たに追加したほか、企業における部署別の役割に基づいた操作性の強化、双方向の保存や転送が行えるワイヤレスをサポートするなどのモバイル向けの機能強化もなされている。
CRMをASPサービスとして提供する「On Demand」は、インストール不要のWebインターフェイスにより短期間で容易に利用することが可能なもの。米国では月額70ドル/1ユーザーで提供されている。
CRM for Everyoneの分析ツール「Analytics」は、CRMだけでなくすべてのデータウェアハウスをカバーし、顧客ライフサイクルまでを連携した予測分析により、リアルタイムでのBI機能を提供する。「これまでのレポーティングの機能から予測能力へ比重を置いた」ものとなっている。
またシステム基盤となるUniversal Application Network(UAN)は、Webサービスアーキテクチャに基づいており、ビジネスプロセスとCRMの統合を強化するもの。J2EEと.NETをサポートするなど既存のシステム上での動作が可能だ。「導入時のシステム統合におけるカスタマイズなどの基本作業を40%削減し、導入期間も30%短縮する」ことでTCOの削減に寄与するものとなっている。
同氏は「顧客企業の業態やビジネスユニットの展開、地域にあわせ、単一のCRMコンポーネントにより短期間で、柔軟に活用ができる」と述べた。
■ URL
日本シーベル株式会社
http://www.siebel.com/jp/
( 岩崎 宰守 )
2004/03/04 17:50
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