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日本IBM三浦氏「オープンなミドルウェアがオンデマンドビジネスで重要な役割を果たす」

IBM Software Solution 2004 東京 ゼネラルセッション

 「IBMソフトウェアの強みはモジュラー化されていること、オープンであること、そして豊富なビジネスの経験と実績があること」と、1月よりソフトウェア事業の陣頭指揮を執る執行役員の三浦浩氏は、同社のプライベートセミナー「IBM Software Solution 2004 東京」の冒頭であるゼネラルセッションで、ソフトウェア事業について説明した。


執行役員ソフトウェア担当 三浦浩氏

ビジネスとソフトウェア(ミドルウェア)構造

コンポーネント化・統合化されたミドルウェア
 同社のソフトウェア事業の特徴は「DB2」「Lotus」「Rational」「Tivoli」「WebSphere」の5つのミドルウェアをユーザーによって最適な形に組み合わせてオペレーティング環境を構築し、同社が掲げる「eビジネス・オンデマンド」の実現につなげることだ。これらのミドルウェアによって企業に混在するさまざまなプラットホームの違いを吸収して、統合化されたアプリケーションの動作環境やインターフェイスを提供する。

 三浦氏は、ミドルウェアの位置づけについて「ITインフラストラクチャとビジネスアプリケーションの整合性を保証する、オンデマンドオペレーティング環境の中で最も重要な役割」と説明する。「ミドルウェアがモジュラー化されオープンスタンダードに準拠していることで、新しいビジネス(アプリケーション)にも容易に対応でき、迅速にスタートすることができる」(三浦氏)

 このようなオープンなミドルウェアの特徴を生かした導入事例として、三浦氏はトヨタ自動車を挙げた。同社は30年間にわたって使用していた製造の基幹システムである「部品表」の再構築にあたり、最低でも10年から15年間利用できるシステムを日本IBMに依頼したという。このような案件に対しては「今後の市場変化が予想できなくても、新しいアプリケーションに柔軟に対応しなければならないため、ミドルウェアがオープンである必要があった」とし、ミドルウェアを「WebSphere Application Server」「DB2」で構築したシステムを納入したという。

 三浦氏は、「移り変わりの激しい市場のニーズや外的要因にオンデマンドで対応していくには、1社だけで作り上げた環境では対応できない。かつてIBMが経験したように自分たちで作った標準にしがみついていては市場の変化についていくことができず、ユーザーからも指示されなくなってしまう」と述べ、かつての同社の戦略を例にとって現状との違いを語った。

 さらに三浦氏は、同社が多数のアプリケーションベンダーと連携しているほか、J2EEの仕様策定への関与や、Linuxサポートなどのオープンスタンダード技術に広くかかわっていることを説明し、同社自身が「eビジネス・オンデマンド」に不可欠であるオープン化が進んでいることを強調した。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  IBM Software Solution 2004
  http://www-6.ibm.com/jp/software/events/iss/


( 朝夷 剛士 )
2004/03/04 17:30

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