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CA伊藤氏「ITILで成功するには3つのPのバランスが鍵」

~ITILソリューションセミナー 講演

 3月11日にコンピュータ・アソシエイツ株式会社(以下、CA)の主催にて都内で開催された「ITILソリューションセミナー ~運用管理からITサービスマネジメントへ~」にて、同社のテクノロジー・ディビジョン アーキテクトの伊藤 正博氏による講演「ITサービス管理の落とし穴」が行われた。


なぜITサービス管理に失敗するのか

テクノロジー・ディビジョン アーキテクト 伊藤 正博氏
 伊藤氏によれば、ITサービス管理はまずツールから入ることがほとんどだという。「しかし、いろいろなツールをいれてさまざまな機能を持たせて運用を開始しても、専門知識が必要だったり、オペレーションがややこしいために使われなくなっていくことが多い。また機能をたくさん盛り込んでも、使いこなせる担当者が1人だけしかおらずその人の負荷が増大してしまうため、結局機能を絞って使い、コストメリットがなくなってしまう場合もある。しかも、その担当者が異動や退職でいなくなるとだれも使えなくなるため、最後には別のツールの導入をまた検討する」という悪循環に陥りがちになってしまう。

 具体的な例としては、「死活管理だけでなく細かいレベルの監視がしたいということでツールをいれても、優先度の低い警告メッセージが乱発され重要なメッセージを見落とす。資産管理をするために資産情報を取ったが、そのあとのデータ活用をどうしたらいいかがわからない」(伊藤氏)といった具合である。

 こうした、うまくITサービス管理がうまく機能していない原因として伊藤氏は「ITILの大前提である、3つのP(プロセス、ピープル、プロダクト)をバランスよく実装していない」ことをあげ、「製品にばかり目がいってしまい、それを使う体制ができてきなかったり、教育がおろそかになってしまったりしている。つまり、プロダクトにばかり過重がかかっており、プロセスとピープルが考慮されていない」と指摘する。


ITILで成功するためには、3つのPのバランスが必要

 伊藤氏は「ITILではプロセスが重要で、全体の80%を占める。ツールがカバーできるのはあとの20%の部分。正しい教育を行い、効率的に業務プロセスを改善した上で、やっとツールの出番」と述べた上で、CAとしてはツールを提供するだけでなく、トレーニングやコンサルティングをパートナーと協力しながら提供し、さまざまな面からユーザーを支援していることを強調した。

 最後に伊藤氏は「ITILの一般的な実装ロードマップとしては、3つのPを平行実装するスケジュールがひかれるのが普通。まず、調査項目を検討してアセスメントを行ってどこから入れるかを検討することになるが、それと同時のタイミングでITILをきちんと理解するためのトレーニングも行っていく必要がある。またさらに平行して、プロセスの実装認識活動と体制の確立をやっていくことも必須で、実はこれが一番重要。ITILの体制確立などはツールではカバーできない部分なので、お客様自身でやって頂く必要がある。(根本データベースである)CMDB構築には6カ月から1年、プロセスの実装が完全に終わるのは2~5年と長期的なロードマップであるが、当社はITSM-Baseソリューションで工数短縮などを提供し、お客様の支援をしていく」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  コンピュータ・アソシエイツ株式会社
  http://www.caj.co.jp/
  ITILをご存知ですか?(CA)
  http://www.caj.co.jp/itsm/

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( 石井 一志 )
2004/03/15 00:01

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