株式会社アイ・ティ・フロンティアは3月15日、都内にて「使えるWebシステムが業務を変える!Enterprise RIAセミナー」を開催し、業務用途におけるRIA(Rich Internet Application)と、同社の取り組みについての説明が行われた。
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アイ・ティ・フロンティア e-ビジネス本部 RIAコンピテンスセンター長 小高宏之氏
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RIAの適応範囲
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現在、業務で利用されるアプリケーションにおいて、クライアントからのデータ入力をWebブラウザ上で操作を行う「Webアプリケーション」を利用するケースが増えている。Webアプリケーションは、クライアントソフトをWebブラウザに統合することができるのが大きなメリットだ。しかし、インターフェイスがHTMLによって構築されるので、従来のアプリケーションに比べて操作性が悪かったり表現力に限界があるなど、業務効率を落とす原因になる可能性もある。
これに対し、クライアントPCのインターフェイスにMacromedia Flashなどを利用することによってこれらの問題を解消し、クライアントの業務効率を向上させようというのがRIAを導入する目的となる。同社e-ビジネス本部 RIAコンピテンスセンター長の小高宏之氏は「システムの大幅変更を行っても、既存のアプリケーションと同じ操作のユーザーインターフェイスを構築することで、クライアントに対する教育やソフトウェアのコストを削減することができる」とRIAのメリットを説明する。
またRIAを適用できる範囲も、ECサイトなどのB2C Webサイトから、SCMや電子カタログなどのB2B Webサイト、そしてERPやCRMなど基幹業務にまで広がっているという。小高氏は「ITフロンティアではフロントエンドをRIAで、バックエンドをEAIで統合し、それぞれが連携する新しいシステムを提案している」と同社の取り組みをアピールした。
続いて壇上に上がったビジネス・アーキテクツ株式会社 取締役 クリエイティブディレクターの福井信蔵氏は、特にユーザーの視点に立ったクライアント環境構築の重要性を説明した。
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ビジネス・アーキテクツ 取締役 クリエイティブディレクター 福井信蔵氏
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福井氏はRIAについて「使う側から見たシステムのあるべき姿を実現できるソリューション」と説明する。RIAを利用することにより、従来のWebアプリケーションではシステム的に不可能であった操作性や表現力を実現でき、レスポンス速度なども向上しているという。
ただし、そのあるべき姿を実現するにはシステム的要件を満たすだけでなく、ユーザーが利用する「現場」を知る人間が開発に加わらないと、ユーザーにとって“使える”システムを作ることはできない。福井氏によると「例えばB2C Webサイトを構築する場合、当初から顧客をよく知るマーケティングなどの人間が開発メンバーに加わり、ユーザーの利用シーンを想定して開発を行わないと、運用時になってはじめて、ユーザーには“使えない”システムだったと判明することがある」という。
それではどのような違いがシステムを使えるものと使えないものに分けてしまうのだろか。福井氏によると、Webシステムに携わっているような慣れた人間と、そうでない人間のシステムに対する「当たり前」の違いが、これを分けてしまうケースが多いという。
例えば、あるボタンを押したときにリアルタイムで反応が返ってこない場合、前者であればしばらく様子を待つことができるが、後者には待ってもらえないことが多い。もし前者によって待つことを想定したシステムが構築された場合「ユーザーから見放されてしまう」システムになると福井氏は警告する。
このような例から、ユーザー環境がリッチなRIAにおいても開発にはユーザーを熟知した人間が必要とのことだ。福井氏は「ユーザーが新しいシステムを利用するとき、それが使えるものになるか使えないものになるかは、インターフェイスの良しあしによって決まる」とし、インターフェイスの重要性を強調した。
■ URL
株式会社アイ・ティ・フロンティア
http://www.itfrontier.co.jp/
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・ ビジネス・アーキテクツ福井氏、「RIAはユーザーの視点からシステムを構築することが重要」(2004/02/20)
( 朝夷 剛士 )
2004/03/16 14:07
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