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高速屋とケン・システム開発が提携-ICタグ時代に向けたソフトウェア基盤確立へ


 設計開発ツール「XupperII(クロスアッパー ツー)」の販売を行うケン・システム開発株式会社と、高速データベースエンジン「高速機関」の販売を行う株式会社高速屋は、3月18日、両社の製品を組み合わせることにより、効率的な開発と運用を可能にするソフトウェア基盤の確立で業務提携したと発表した。

 XupperIIは、650社の導入実績をもつビジネスアプリケーション分析設計ツール。開発工数を大幅に削減できる国産ツールとして高い評価を得ている。また、高速機関は、国産のリレーショナルデータベースソフトで、独自の技術を用いることで、検索、ソートなどの処理においては、外資系のデータベースソフトに比べて、100倍の高速処理が行えることを特徴としている。

 今回の提携は、国産製品同士の提携ともいえ、「日本の技術同士の組み合わせによって、きたるべきユビキタス時代に大きな効果を発揮できる開発、運用環境が提供できる」(高速屋・木下政利取締役)としている。

 とくに今回の提携でターゲットとしているのが、ICタグを利用した利用環境への対応。

 「ICタグの普及によって、短期間のシステム構築が求められるとともに、取り扱うデータ量が膨大になる。その点で、開発工数の削減と、桁違いとなる大量データを高速検索できる2つの製品の組み合わせは大きな威力を発揮することになる」(木下氏)としている。

 提携では、XupperIIによる上流工程の設計情報をもとに、高速機関で稼動するプログラムの自動生成ツールを共同開発。従来、分断されていた上流設計工程と、下流実装工程をシームレスにサポートし、設計の二度手間と設計情報の二重管理を排除した、効率のよいソフトウェア基盤を構築する。

 これにより、従来の製品に比べて、開発工数が3分の1、保守工数が5分の1に削減することが可能であるほか、設計情報の一本化により、品質レベルの向上と、保守の容易性を実現。さらに、高速データベース機能によって、情報のリアルタイム分析なども可能になる。

 両社では、今年8月までに開発を終了し、9月から販売を開始する計画。開発に関わる費用は両社で1億5000万円を投資する予定。

 Windows Server 2003での稼働のほか、来年にはLinux対応も予定。トッパン・フォームズのIC Server用Webサービス対応機能も追加する。

 販売ターゲットは、ICタグを活用した大量のデータ処理などが見込まれる流通業、製造業など。システム価格は現段階では未定。

 ICタグの普及が見込まれる3年後には、両社で100億円規模のビジネスに拡大させたいとしている。



URL
  ケン・システム開発株式会社
  http://www.kensystem.co.jp/
  株式会社高速屋
  http://www.kousokuya.co.jp/


( 大河原 克行 )
2004/03/18 19:44

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