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NECとIFS、中国・アジア市場を重点としたソリューション事業で協業強化


 日本電気株式会社(以下、NEC)とスウェーデンIndustrial and Financial System AB.(以下、IFS)は3月29日、グローバルソリューション事業の中国アジア市場での拡大を目指し、出資や人員の派遣を含めた協業を強化すると発表した。

 NECでは、IFSが開発するコンポーネントベースのERPパッケージ「IFS Applications」の、導入からサポートまでのサービスを7年前より提供しており、これまで国内向けとして31社、58サイト、海外でも17社18サイトへの導入実績がある。


今後成長が期待される中国アジア地域で事業展開を拡大する
 今回NECはIFSの申し出を受け、4月1日付けで1億SEK(15億円)を出資するとともに、役員1名を派遣する。またIFSがスリランカに持つ開発センター内に共同R&Dチームを設置し、国内における業務要件を反映させるため、製品の計画段階から開発へ参画する。このほか、2004年度上期をめどに、中国アジア地域でのコンサルティングや導入支援と知った営業活動を共同で行う「IFS事業推進チーム」を編成する。

 さらにNECではIFS Applicationsのユーザーに対して、IFSのグローバルサポートセンターを活用した24時間グローバルサポートを提供する。特に東南アジアや中国の日系企業向けには、IFS上海サポートセンターに人員を派遣して日本語でのサポートを行う。

 両社では中国を中心としたアジア地域で、主にグローバルにサプライチェーンを展開している自動車業界の日系企業に向けて、開発から販売、保守までのプロセスでの展開の拡大を図る考えだ。


NEC代表取締役社長 金杉 明信氏

IFS AB.副会長 ベント・ニルソン氏
 NEC代表取締役社長の金杉 明信氏は、IFSのソリューションとNECで扱う他のERPパッケージとの違いとして、「コンポーネントベースのERPパッケージとして、低コストのカスタマイズが可能な点が強み」とし、「特に海外のユーザーの間で高い評価をいただいている」とした。そして「SIerとしては顧客に最適なソリューションを提供できることが大事」と述べ、「7年のパートナー関係を発展したコラボレーションで製造業向けの展開を拡大したい」と意欲を見せた。

 IFSは世界45カ国で事業展開を行っている企業。IFS Applicationsは1997年に初のコンポーネント型のERPパッケージとして発売され、同社は2003年度調査ではERPベンダーとして世界5位とされる。共同創業者で副会長のベント・ニルソン氏は、「コンポーネントの組み合わせにより7つの業種向けに製品提供を行い、それぞれの分野に特化したパートナー戦略を行っている」と述べ、NECとの協業では主に自動車、ハイテク、サービスマネジメントの分野での事業展開を図るとした。

 ERP市場の成長が2000年以降鈍化している点について、「東欧や中央ヨーロッパ、中国をはじめとしたアジア諸国といった、今後市場の成長が期待できる地域での展開により、成長の余地がある」との見方を示し、今回の協業への期待をにじませた。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  スウェーデンIndustrial and Financial System AB.
  http://www.ifsworld.com/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0403/2901.html
  IFSジャパン株式会社
  http://www.ifsworld.com/jp/
  NEC IFSアプリケーション
  http://www.sw.nec.co.jp/ifs/


( 岩崎 宰守 )
2004/03/29 14:31

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