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マイクロソフト、2004年のエンタープライズ戦略は「顔の見えるマイクロソフト」


 マイクロソフト株式会社は3月29日、報道関係者向けに2004年のエンタープライズ戦略についての説明会を開催した。


常務執行役エンタープライズビジネス担当 平井康文氏
 同社は、日本ユニシスと共同で2003年12月には百五銀行の基幹業務システムを、3月25日には秋田銀行、北越銀行、山梨中央銀行、紀陽銀行、大分銀行、鹿児島銀行のシステムをWindowsベースで構築すると発表した。また3月29日にはフード業界向け企業間電子商取引サービス「フーズ インフォマート」に「Microsoft BizTalk Server 2004」の採用を発表するなど、ビジネスの基幹にかかわるシステム構築の発表を相次いで行っている。常務執行役エンタープライズビジネス担当の平井康文氏が「デスクトップOSのメーカーからビジネスプラットフォームを提供するベンダーへと変革している」と述べるように、今年も多くの発表が予想されている。

 そんな同社の2004年度におけるエンタープライズ分野への取り組みについて平井氏は「“Customer Experience”“Value”“Solutions”を柱としたカスタマーバリューの最大化」を目標に掲げているという。

 なかでも平井氏が強調したのがCustomer Experience(顧客満足)だ。2003年に米Microsoft CEOのスティーブ・バルマー氏が来日した際に「ビジネスの成長よりも顧客満足度の向上を目指す」と述べたのを受けて、全社的な取り組みが始まっているという。「具体的には、営業部隊のインセンティブの半分を営業成績ではなく顧客満足度によって計上する、テレセールス部隊にも顧客によって担当を決め顔写真をメールで送って認知してもらうなど従来のパートナーの後方支援から顧客と直接向き合うことによって“顔の見えるマイクロソフト”を目指す」(平井氏)。

 Valueは、同社の製品によって顧客のビジネスにいかに多くの価値をもたらすかを指している。平井氏は「2003年に発表したWindows Server Systemは、すでに顧客からTTM(Time to Market)の削減、TCOの削減、ROIの最大化の3つの観点から大きな評価を受けている」と同社の基盤となる製品の優位性を強調した。また、同社の開発プラットフォームとなる.NET Frameworkについては「システム構築のキーとなる業務に依存しないアプリケーションフレームワークの共通化・品質均一化の部分でJavaに対して大きなアドバンテージがある」とした。


業種別ソリューションの例
 Solutionsは、ユーザーの業種別に最適化したソリューションを用意し、顧客の要望に対して製品ベースではなくソリューションベースでの提案を行うというもの。ソリューションは現在製造、流通・サービス、金融、通信、公共の5業種に向けたものを用意しているという。

 最後に平井氏は2004年のフォーカス分野として、Windows NTやUNIX、レガシープラットフォームから同社製品へのマイグレーションを挙げた。これにはWindows Serverだけでなくデータベースの「SQL Server 2000」も含まれているが、これについて平井氏は「現在は主にBI分野をターゲットに実績のあるSQL Server 2000へのマイグレーションを進め、2005年上半期に発売予定のSQL Server 2005(コードネーム:Yukon)からは基幹業務にもターゲットを広げる」と語った。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ニュースリリース(フーズ インフォマートにBizTalk Server 2004が採用)
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1876


( 朝夷 剛士 )
2004/03/29 21:44

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