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米Microsoftゲイツ会長、セキュリティ対策の進ちょくをメールで報告


 マイクロソフト株式会社は4月1日、米Microsoft役員らによるテクノロジーや政策など業界のトピックを盛り込んだメッセージを電子メールでユーザーに伝える「Microsoft Executive E-mailプログラム」を開始した。内容は英語で記述されており、配信は不定期。登録はマイクロソフトのWebサイトから行える。なお同サービスは、米国において2001年7月より開始しているサービスと同一のもの。

 今回配信されたのは、米Microsoft会長兼チーフ ソフトウェア アーキテクトのビル・ゲイツ氏による同社が投資を行っている4つのセキュリティ分野についての報告。今回、1)隔離と抵抗力(Isolation and Resiliency)、2)アップデート(Updating)、3)品質(Quality)、4)認証とアクセス制御(Authentication and Access Control)の4つのセキュリティ分野の報告が行われた。


ゲイツ氏が語るMicrosoftのセキュリティへの取り組み

 メールでは、2004年の春から夏にかけて提供予定のWindows XP SP2、2004年後半に提供予定のWindows Server 2003 SP1のそれぞれの改良点を紹介。Windows XP SP2では、ファイアウォールを初期設定時に有効にしたことや、IEの自動ダウンロード抑止機能、メールやメッセンジャーでの添付ファイルの扱い方を改善していることを説明。また、バッファオーバーランの脆弱性を減らすために、コンポーネントの再コンパイルや、データ領域実行防御機能を組み込んだマイクロプロセッサのサポートなどメモリーの保護にも力を入れていると述べている。また、Windows Server 2003については、Windows XP SP2に組み込まれているサーバー関連のセキュリティテクノロジーを含むセキュリティ対策を講じたWindows Server 2003 SP1を2004年後半に提供するとしている。

 そのほか、悪意のあるメールやジャンクメールの侵入阻止、メールサーバーへの攻撃を防ぐ「Exchange Edge Services」や、ワームやウイルスに対しPCの抵抗力を高めるための「Active Protection Technologies」、迷惑メール対策ツール、クライアントPCを検査するテクノロジー、Webサービスのセキュリティを向上する仕様なども紹介された。

 ソフトウェアのアップデートについては、昨年秋より月次単位で修正プログラムを提供したことや、パッチ適用状態を把握するMicrosoft Baseline Security Analyzer 1.2を1月に提供したことを紹介。また、Windowsの修正プログラム適用製品であるSoftware Update Servicesの後継製品のWindows Update Servicesを、WindowsだけでなくSQL ServerやExchange Serverなどの更新にも対応させて、2004年後半に提供することにも触れている。そのほか、Windowsだけでなく同社製品全体を自動更新するサービス「Microsoft Update」を今年の末に提供すると述べている。

 ゲイツ氏はメールの最後に、「過去20年間に、テクノロジーは驚くほどの進歩を遂げました。その成果は、可能な限り多くの人に活用されるべきものであり、わずかな数の人間が犯す犯罪的な行為によって、その他多くの人達が享受すべき膨大な利益が阻害されるような事態は、断じて容認することはできません」と述べ、同社として新しいセキュリティテクノロジーの開発によりセキュリティ対策を進めていくことを強調した。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Microsoft Executive E-mailプログラム
  http://www.microsoft.com/japan/mscorp/execmail/

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  ・ マイクロソフト、テクノロジーや政策など重要なトピックをメールで配信するサービスを開始(2003/10/31)


( 福浦 一広, 朝夷 剛士 )
2004/04/01 16:22

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