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JPSA、中小ソフトベンダー支援プログラムの説明会を開催


 社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(以下、JPSA)は4月2日、中堅・中小ソフトウェアベンダーの製品開発を大手スポンサー企業9社が無償で支援する「パッケージソフトウェアベンダー支援プログラム」の公募説明会を開催した。

 パッケージソフトウェアベンダー支援プログラムは、中小ソフトウェア製品開発ベンダーを対象に公募を行い、将来有望な企業に対して協賛企業がスポンサーとなり開発ツールやトレーニング、コンサルティングなどを無償提供するなどの支援を行うもの。JPSAが主催し、ソフトウェア産業の活性化を目指した取り組みとして行われる。

 応募にあたっては、各スポンサー企業の技術や製品を活用、または連携して動作することを前提としたアプリケーションを開発・販売していることが条件となっており、フリーソフトやオープンソースソフトウェアは基本的に除外される。なおパッケージやダウンロード、ASPなどの提供形態は問わない。


社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会 協会業務課課長 西村 高志氏
 応募要綱は4月5日よりJPSAのWebサイトよりダウンロードが開始される。締め切りは26日17時までで、メールにより受け付けられる。対象企業は同協会の会員になる必要があるが、設立3年未満のベンチャーについては、最長2年間、会費無料の準会員制度を活用できる。

 スポンサー企業9社では、それぞれの条件に沿ったベンダーに対して書類選考を5月10日より、その通過企業に対するヒアリング審査を5月19・20日にスポンサー企業合同で行う。5月下旬に支援対象先候補を内定、6月末に正式決定される。ヒアリング審査後、落選企業に対し各社個別に選定・支援する場合もあるという。

 協会業務課課長の西村 高志氏は「支援企業数は応募数にもよるが3~5社を考えている。今回が成功すれば、年内に1回、今後は年2~3回実施していきたい」と述べた。また現在9社のスポンサー企業についても、「コンピュータ・アソシエイツなど数社が参加を検討している」とのこと。


 協会副会長で、ウッドランド株式会社 代表取締役会長の淺田 隆治氏はJPSAについて、「ソフトベンダー中心に運営された20年の間に、孫正義氏をはじめとしたベンチャーが巣立っている」とその実績を述べた。

 そして「受託開発のソフトウェアとパッケージを比べ、機能を考えると1/10~20のコストパフォーマンスがある。JPSAでは7,300億円のパッケージソフトウェア市場を1兆円にすることを目標にしている」とした。今回のプログラムについては「その中心のひとつとして期待している」と語った。

 協会専務理事の山内 敏嗣氏によれば、今回のプログラムは、「開発環境の弱い、他ソフトウェアとの連携が難しい中小ソフトウェアベンダーの現状を踏まえたもの」だという。またパッケージ市場の拡大策としては、月1回の会合を行う「パッケージソフトウェア市場拡大研究会」を今後1年間を期限として協会内に設立、ソフトウェア市場の現状分析、具体的な施策の検討と実施を行うとのこと。


社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会 副会長 ウッドランド株式会社 代表取締役会長 淺田 隆治氏 社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会 専務理事 山内 敏嗣氏

経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐 河野 太志 氏
 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 課長補佐 河野 太志 氏は、「昔と違ってプロダクト開発型でのビジネスモデルは単純でなくなっている」とし、「パッケージをもとに、企業の業務形態や規模に対応した適切なビジネスソリューションを提供する場合には、求められる形やサポートは多様になる」と述べた。

 そして「国としての政策も展開しているが、仕組みやプログラムの枠組みを作っても成功するのはわずか。それよりも取り組みの内容そのものが、プログラムの成否を分ける。JPSAの経験、大手企業による人間関係を含めた協力がマッチングして、有形無形の学びの場として実効性のある新しい形のサポートを作っていただけると心強い」とした。


スポンサー企業9社の対象企業への条件と支援内容

マイクロソフト株式会社 代表執行役のマイケル・ローディング氏
 今回のメインスポンサーであるマイクロソフト株式会社 代表執行役のマイケル・ローディング氏は、「国内のパッケージソフトウェアの市場規模は、顧客ニーズにかかわらず不十分と感じている」との見方を述べた。そして「パッケージソフトウェアベンダーとして、繰り返し適用可能で、適切な方法で提供することで、ユーザーへの大きな恩恵と経済への貢献が果たせる」とし、「顧客と業界全体、R&Dなど組み合わさって効率的な効果を生む」と語った。そして「テクノロジーは常に進化し続けるものなので、ビジネス機会は常に存在する」とし、「今回のプログラムをきっかけに、世界レベルの製品、技術を生み出して欲しい」と語った。

 同社では、.NET環境での製品開発を行う中小ソフトウェアベンダーに対し、サーバー製品や技術支援サービスの無償提供、国内外のカンファレンス、技術セミナーへの招待、製品開発後のマーケティング支援を行う。


 ウイングアークテクノロジーズ株式会社では、パッケージソフト内での帳票システムの更新・取り扱いが必要な企業を対象に、帳票開発ツール「SuperVisualFormade」、集計レポーティングツール「Dr.Sum」の有償トレーニングと期間限定の製品貸し出しを行うほか、eラーニング「iStudy BB for SVF」(2万円)の提供、ソフト開発における最低2日間の帳票運用コンサルティングを提供する。

 ウッドランド株式会社では、同社製品の機能拡充を図る企業に対し、ERPパッケージ「NewRRR」の教育サービス、EDI構築ツールパッケージ「スーパーEOS21」組み込み支援、開発ツール「LLL」の無償提供を提供する。

 株式会社オービックビジネスコンサルタントでは、奉行シリーズ新ERPパッケージとの連携アプリケーション開発企業に対し、開発キットを提供するパートナー制度(OESP)への年間登録料金157,500円の無償提供、エンジニア向け教育支援、開発サポートインフラの提供、既存チャネルを利用した営業・マーケティングなどの販売促進支援を提供する

 株式会社大塚商会では、基幹系製品「SMILE」と、ポータルを中心とした情報系製品「eValue」の2つのソフトウェアについてのアドオンプログラム開発企業に対して、インターフェイスなどの技術情報を提供、製品完成後には同社ルートによる販売を行う。

 トレンドマイクロ株式会社では、話題性・将来性のあるアプリケーション開発企業に対し、クライアント/サーバーをセットにした「トレンドマイクロセキュリティパック25ユーザー版」5セットを1年間で無償提供する。

 日本ヒューレット・パッカード株式会社では、同社ハードウェアの販売機会増大が見込めるソフト開発企業に対し、ハードウェア機器の貸し出し、テスト環境としてのソリューションセンターの提供、共同でのマーケティング、コンサルティング、インテグレーションなどを行う。

 ピーシーエー株式会社では、ERPパッケージ「Dream21」との連携アプリケーション開発企業を対象に、開発キットを提供するパートナー支援プログラム(PDSP)、連携開発支援や販促知識習得のためのトレーニングの提供と、販促活動支援を行う。

 株式会社フォトロンでは、画像技術を採用した開発を行う企業に、同社の映像ナレッジインフォメーションシステム「Power Index」を用いたWMV形式のストリーミング配信により、完成製品のデモや内容の紹介についてのWebサイト構築・運営のサービスを提供する。



URL
  社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会
  http://www.jpsa.or.jp/
  パッケージソフトウェアベンダー支援プログラム説明会
  http://www.jpsa.or.jp/seminar/2004/0402_seminar.html
  経済産業省 情報政策
  http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ウイングアークテクノロジーズ株式会社
  http://www.tsubasa-tool.com/
  ウッドランド株式会社
  http://www.woodland.co.jp/
  株式会社オービックビジネスコンサルタント
  http://www.obc.co.jp/
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  トレンドマイクロ株式会社
  http://www.trendmicro.co.jp/
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ピーシーエー株式会社
  http://www.pca.co.jp/
  株式会社フォトロン
  http://www.photron.co.jp/

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