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米Avaya Inc.のアバイア研究所 IPテレフォニー・リサーチ ディレクター、ベンカテッシュ・クリシュナスワミ氏
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日本アバイア株式会社は4月6日、記者説明会を開催し、その中で「企業における“Converged Communications”」について、米Avaya Inc.のアバイア研究所 IPテレフォニー・リサーチ ディレクター、ベンカテッシュ・クリシュナスワミ氏が同社の戦略を説明した。
クリシュナスワミ氏によれば、「現在は音声からIPネットワークへの移行を果たした段階だが、音声とデータを1つのインフラとして統合することのメリットを感じ始めているところだ。この次が“Converged Communications”で、IPネットワーク移行への真のメリットを受けることができる段階」だという。ここでいうメリットとは、「企業の効率化をすすめること」とのことで、同氏はさらに「企業で使われている通信ネットワークは、生産性を高めるためのアプリケーションにつながっており、ひいてはユーザーの生産性向上につながっている」と説明する。
また現在の企業ユーザーからの要望に触れた同氏は、「グローバル化し、オフィスが分散化し、モバイルでも仕事をするようなり、より迅速な対応が求められるようになってきた中で、エンドユーザーが自分の時間をどう管理するかということがクローズアップされてきた。自分の時間を効率よく管理できれば、より生産性があがるからだ」と述べた上で、「そのために電話、メール、PDA、携帯電話、インスタントメッセージングなど、さまざまなツールを利用して生産性をあげようとしてきたが、これらは統合されていなかった。そのため、便利なものがいくつあったとしても、ユーザーは労力や時間を使って、個別にまとめなくてはいけなかった」と問題を指摘した。
これらの問題を解決するため、同社としては「将来におけるコミュニケーションツールでは、まとめて管理することで、エンドユーザーの時間を効率的に使えるようにしなくてはならない」と考えているという。その鍵となる技術として、同氏は「SIP、プレゼンス、Webサービス」の3つをあげる。
「SIPは次世代のIPコミュニケーションを可能にするアプリケーションとして注目されている。さまざまなタイプのメディア、映像であれ、音声であれ、テキストであれ、複数のメディアを複数のデバイスと接続できる。それだけではなく、既存のインターネット技術、たとえばDNSやルーティング、ストリーミング(RTP)などと統合することもできる」(クリシュナスワミ氏)
「さらにプレゼンスを利用することで、通信をする相手が席にいるのかどうか、通信可能な状態なのかどうか、を発信者は知ることができる」とクリシュナスワミ氏は続ける。電話中であることがわかればインスタントメッセージなどほかの手段に切り替えればいいし、不在ならばボイスメールで送るなど、相手の状態があらかじめ把握できることで、仕事の効率を上げることが可能だというのだ。また、Webサービスを併用することで、インターネットのインフラ上にアプリケーションを展開することができるとする。
そしてクリシュナスワミ氏は「これらの技術を利用することで、IP化(Converged Communications)の真の価値、すなわち法人ユーザーの生産性向上が行える。音声や複数のメディア、プレゼンスを統合化するアプリケーション、プレゼンスの統合によって、エンドユーザーにパーソナルな、もしくはカスタマイズされたサービスを提供できる。ここで当社のソリューションを利用すれば、ユーザーは今使っているものと完全に入れ替えるのではなく、今ある資産を活用しつつ、しかも段階的にIP化を進めることが可能だ。そのための核としてSIPに期待している」と語った。
最後に同氏は、「アバイアはこれからもこのような技術の開発を進め、企業にとっての通信技術の方向性を示し、実践的なSIPソリューションを提供していきたい。また、そのソリューションは標準に基づくこと、オープンなアーキテクチャであることを約束する」と述べ、説明を終了した。
■ URL
日本アバイア株式会社
http://www.avaya.co.jp/
( 石井 一志 )
2004/04/06 20:31
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