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2003年ERP市場は、中堅企業向けの売上げが2ケタ成長

矢野研、2003年の国内ERPパッケージ市場の規模・シェアに関する調査結果を発表

 株式会社矢野経済研究所は4月6日、国内ERPパッケージの市場規模とシェアに関する調査結果を発表した。同社では、国内主要ERPパッケージベンダー22社に対し、2003年11月から2004年2月にかけてヒアリング調査を行っている。

 2003年のERPパッケージ市場は、ライセンス出荷ベースで698億4,300万円(同7.6%増)と、伸びが鈍化したものの順調に拡大している。この内訳を見ると、年商500億円以上の大手企業では、417億8,000万円で前年比2.9%増にとどまった一方、年商50~500億円の中堅企業では、280億6,300万円で同15.4%と成長している。

 ERPパッケージの大手企業での導入については、「ひと通りやり尽くされた」との見方もあるが、同社では、国内企業の約7割が利用を続けるレガシーシステムのサポート満了が近づいていることなどから、2004年には2ケタ成長を予想している。

 2003年のシェアをライセンス売上高でみると、SAPが25.6%とトップ、続いてOracleが11.4%となり、9.8%のProActiveを抜いてGLOVIA-Cが10.8%で3位となった。


ERP市場の売上規模。中堅企業での成長が目立つ ERP市場全体でのシェア。

 シェアについては、大手企業ではSAPが46.1%、続いてOracleが20.6%、GLOVIA-Cが10.8%と順位は変わらないものの、上位2社の突出が目立つ。

 一方中堅企業ではGLOVIA-Cが24.2%、ProActiveが21.9%、OBIC7が12.1%と様相が一変する。SAP、Oracleとも2003年には中堅企業向けのオールインワン型パッケージを発売し、今後市場の激化が予想される。

 導入企業数のシェアを見ると、OBIC7が3,700社、13.4%でトップ。SuperStreamが12.3%(3,407社)、Super Cocktailが10.9%(3,000社)となっている。

 市場の売上高をソリューション種別で見ると、財務会計が40.8%、販売管理・CRMが20.4%、生産管理・SCMが18.2%、人事給与が15.8%となっている。大手企業では財務会計が30.9%と減少し、CRM、SCMへの機能拡張傾向がある一方で、中堅企業では53.0%で財務会計が依然半数を占める結果となった。



URL
  株式会社矢野経済研究所
  http://www.yano.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.yano.co.jp/press/2004/040406.html


( 岩崎 宰守 )
2004/04/07 19:09

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