Enterprise Watch
最新ニュース

米Intel・マルホトラ氏「Itanium 2とXeonは互いを補完する」

~インテル デベロッパ・フォーラム Japan Spring 2004 基調講演

 4月7・8日の両日、「インテル デベロッパ・フォーラム Japan Spring 2004」がヒルトン東京ベイで行われた。8日には、米Intel Corporationのエンタープライズ・マーケティング&プランニング・ディレクタ、アジェイ・マルホトラ氏が「エンタープライズ サーバ&プラットフォーム」と題して基調講演を行った。


Itanium 2にとって記録的な年だった2003年

エンタープライズ・マーケティング&プランニング・ディレクタ、アジェイ・マルホトラ氏。同社がスポンサーである、F1トヨタのツナギで登場
 その中で、マルホトラ氏はまず2003年のItanium 2の展開について触れ、「Itanium 2は1つの業界の方向性を示すものだ。エンタープライズの世界では、クライアントベースから考えると状況が異なる。ハードウェアだけでなく、どれだけソリューションがあるか、OSが対応しているか、ソフトウェア、アプリケーションはどうか、といったことも重要な選択肢となる。そのために、当社ではエネルギーを注いだ結果、1,000以上のアプリケーションやツールが展開されてきた」と、その充実ぶりをアピール。

 また続けて、「今までは主にHPC分野で成功してきたが、政府、金融、電気通信などをはじめとして、さまざまな分野で採用されるようになってている。広くエコシステムとしての支持をもらった」と述べ、2003年は記録的な1年だったと振り返った。


XeonとItaniumは互いを補完するもの

サーバー市場におけるXeonとItanium 2のターゲット
 昨今盛んにとりあげられているItaniumとXeonの違いに関しては、「よく聞かれることだが、両者には明確な違いがある。10,000ドルクラス前後までのサーバー市場ではXeonはかなり普及しており、IAはユニットベースで85%を占めるまでに支持されている。しかし、それ以上の高額サーバー市場では依然としてRISCサーバーが強く、売上ベースで半分近くを占めている現状だ。RISCが利用されているような、バックエンドの基幹業務で利用されるサーバーでは、信頼性、可用性、拡張性が必要。時には性能よりも信頼性が重視される、こうした分野で、ItaniumはXeonを補完する。XeonとItaniumは互いを補完するもので、決して食い合うものではない」とした。

 さらにマルホトラ氏は「(トランザクション処理をはじめとする)たくさんのベンチマークで、Itanium 2は記録を打ち立ててきた。ベンチマークでトップにたったものはすでに36もあり、2007年くらいには、Xeonの2倍の性能を確保する目標がある。それ以降は価格性能比でItaniumがXeonに対して優位になる」と、性能面でもItanium 2は高いものを持っていると強調する。

 次に、Itaniumのバリエーションについて言及した同氏は「Itaniumのコンポーネントとして、ユニークなものに対応する。高度なパフォーマンスのもの、低消費電力のものなど、3、4チームが平行して開発に取り組んでいる。こうしたコミットで当社は投資をつづけ、各セグメントで進歩していく。(こうした取り組みもあって)PA-RISCやUltraSPARCといったRISC製品の出荷量を、Itanium 2がもうすぐ上回るだろうという予測もある」と述べた。

 そして、これも話題のXeonの64ビット拡張については、既報通りデュアルプロセッサ対応のNoconaによって2004年中ごろから導入を行うと述べたマルホトラ氏だが、「Xeonの拡張だけで(すべてのニーズを)補えるものではない」と、再度Itanium 2を食うものではないと主張。「信頼性を重視するところ、基幹業務のデータベースなどはItanium 2が活用される」と繰り返し語っていた。


パートナーもIAにエール

NECが開発中という、Itanium 2を搭載したブレードサーバー。一番注目を集めていた
 また、講演中には同社のパートナー5社の代表も登場。富士通株式会社のサーバシステム事業本部長 山中 明氏が「長期的な戦略としては、ローエンドからハイエンド、メインフレーム領域に至るまで、IAで提供していきたい。Itaniumは信頼性の高い領域に適したものだと思っており、当社ではメインフレーム領域のサーバーも開発している。ミドルウェアやサポート、移行ツールとともに来年の春には提供できる」と述べたほか、マイクロソフト株式会社の業務執行役員 エンタープライズサーバビジネス本部長 大場 章弘氏は「大規模なアプリケーションを低コストで実現できる、IA64と64ビットWindowsのソリューションに対しては、強い要望を頂いている。すでに一部導入しているところもあるが、今後も最高のコストパフォーマンスと拡張性を、この組み合わせで提供する」と語るなど、各社からエールを送られていた。

 最後にマルホトラ氏は、「インテルとしては、明白な差別化をItaniumとXeonに設けており、それぞれに対して普及のプランを持っている。Itaniumの位置づけをはっきりしながら、お客様のニーズを満たしていく」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  米Intel Corporation
  http://www.intel.com/
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/
  インテル デベロッパ・フォーラム Japan Spring 2004
  http://www.intel.co.jp/jp/idf/


( 石井 一志 )
2004/04/08 19:59

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.