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日本HP、Linux市場を「エンタープライズ」と「エントリー」に二極化する戦略を発表

中核製品としてRed Hat Linux Enterprise Linux 3を投入

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4月26日、同社のx86サーバー「HP ProLiantファミリ」のLinuxビジネスにおいて、「二極化戦略」を導入すると発表した。これはLinux市場を、データベース、ERP、クラスタなどの基幹システムや、科学技術計算、金融などのエンタープライズHPCにLinuxを利用している「エンタープライズLinux市場」と、導入コストを抑えるため、メール、ファイル、Webなどの各サーバー構築にLinuxを使用する「エントリーLinux市場」に分け、それぞれに応じた施策を行おうとするもの。

 現在、日本HPではProLiantシリーズの戦略として、「バリュー・ビジネス領域」と「ボリューム・ビジネス領域」の二極化戦略を設定している。今回は、バリュー・ビジネス領域内にエンタープライズLinux市場、ボリューム・ビジネス領域内にエントリーLinux市場を設けることで、おのおのの市場特性やユーザーのニーズにあわせたLinuxシステムを提供するという。前者では大企業や中堅・中小規模企業をターゲットとし、同社の直販部門や大手SIer、Linuxソリューションを得意とするバリュー系販売パートナーが主な販売チャネル。後者では、大学の研究室や企業の部門、支店を主要な対象としており、同社のWebサイトを利用したHP DirectplusやDirectpartner、ボリューム系販売パートナーを販路に想定している。

 同時に、Linuxの二極化戦略の中核をなす製品として、両市場を対象にProLiant用Red Hat Linux Enterprise Linux 3(以下、RHEL)4製品を5月中旬より提供する。この製品には、日本HPによるテクニカルサポート(8:45~17:30、月~金)が含まれているが、今後同社では24時間365日のサポートを添付したRHELも販売を予定しているとのこと。また、RHELはOS単体でも販売されるため、既存のProLiantユーザーも利用できる。価格は104,790円(税込)より。

 このほかエンタープライズLinux市場向けには、HP-UX上で実績のあるハイアベイラビリティソリューション「Serviceguard」のLinux版、「HP Serviceguard for Linux」を5月より提供。RHELと組み合わせ、ソフト、ハード障害からシステムを保護できるほか、「HP StorageWorks MSAファミリ」などと組み合わせることで、最大16ノードまでのLinuxクラスタシステムを構築できる。価格は、1ノードあたり262,500円(税込)より。さらに、現在はWindowsのみ提供されているファクトリーデリバリのラッキングサービスに、Linuxプリインストールサービスや各種設定サービスを追加し、6月より提供する予定。

 エントリーLinux市場に関しては、DirectplusでのProLiantシリーズのOSプリインストールメニューにLinuxを追加するほか、さまざまなオプションの組み込まれた「ProLiant Advantage Pack Neoファミリ」でも、RHELプリインストールモデルを用意する予定となっている。これらは6月より提供される見込み。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-098.html

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( 石井 一志 )
2004/04/26 12:44

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