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DNPと日本IBM、グリッドソフトのWebサービス化で協業


 大日本印刷株式会社(以下、DNP)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は4月27日、インターネットを経由して業務アプリケーションを自動連携させる「Webサービス」分野で協業すると発表した。これに伴い両社では、DNPのグリッド構築用ソフトウェア「AD-POWERs」を日本IBMの技術支援によってWebサービスに対応させ、インターネット環境で利用できるようにした。DNPは5月よりこの「Webサービス対応AD-POWERs(仮称)」(以下、Webサービス対応版)の販売を開始する予定で、価格は最小構成時300万円(税別)から。

 AD-POWERsは、1台のPCで実行していた処理を数台で分散処理させるためのソフトウェアで、利用されていないPCを自動検出してジョブを実行させることが可能。もともと同製品は同一のネットワークセグメント内で利用することを想定していたが、インターネットを介して利用したいというニーズが高く、DNPは2月より日本IBMの支援のもと、インターネット対応版の開発を進めてきたという。

 日本IBMでは、Webサービスの相互運用性を向上を推進する団体「WS-I(Web Services Interoperability Organization)」が定める標準仕様「Basic Profile 1.0」にAD-POWERsを対応させることでインターネット対応を進め、WebSphereとの連携などによってこれを実現した。Webサービス対応版の利用形態としては、まず本社などに同製品によるシステム環境を構築し、複数のユーザーが汎用的に使える業務アプリケーションを登録。その後、遠隔地の工場や支社のPC上で動作するアプリケーションを、インターネット経由で本社環境のアプリケーションと連携させる。これにより、遠隔地からでも、必要に応じた高速計算能力を利用できるようになり、処理の高速化、作業効率の向上が実現する。

 今後DNPは、Webサービス対応版のセキュリティ機能を高めるとともに、各種の業界標準やスケジューラ機能などを取り入れるなど本格的なグリッドコンピューティング対応を目指す。なお同社では、販売後2年間で20億円の売り上げを目標としている。



URL
  大日本印刷株式会社
  http://www.dnp.co.jp/
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2004/04271


( 石井 一志 )
2004/04/27 11:28

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